「膚(はだえ)の下」 神林 長平【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】
『膚の下』が出た。マガジン連載時にちょこちょこ読んではみたけれども、うーん。
私は神林長平は好きなんだけどなあ、最後に読んだのが『グッドラック』で、以降は読みとおしていない。とはいえ、数えたら『永久機関装置』と『ラーゼフォン』とこれだけ? 光文社復刊物と、過去にさかのぼった短篇集が出たせいで、最近沢山出しているように見えるけど。
「麦撃機の飛ぶ空」 神林長平【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】
そうそう、『麦撃機の飛ぶ空』をぱらぱら読んだ時は、震えた。うわあ、私は、今も、やっぱり、神林長平好きなんだと。90年代後半以降の著書からは感じられない何かが、掘り起こされたタイムカプセルのように、確実に香ったのだ。今だって、『プリズム』や『敵は海賊・海賊版』や『七胴落とし』を読めば、高校時代に味わったのと変わらぬ戦慄を感じることが出来るはずだ、と思う。ずいぶん再読していないけれど。
作家だって人だから、文章や書き方も、年を経るに従い、変化するだろうし、変化しなければならないものだ。ただ、それが、この場合は、私には合わなかった、それだけのことなんだろう。
ただ一つ。『グッドラック』が「出てしまった」今、これから『戦闘妖精・雪風』を読む読者は、『雪風』が単独の作品だと思って読んだ時の、あのラストが醸し出す深い絶望と沈黙の余韻を味わうことが出来ないのだ。……それってすご〜〜く勿体無い。私は単独時代に読んで本当に良かったよ!という話を、この前の飲み会でしていたのだ。『グッドラック』の内容がどうこうじゃないんだけどね。
以上、ファンの愚痴でした。あー、なんか読み返したくなったヨ。
関係ないけど、『プリンセスチュチュ』って『完璧な涙』だよね。
去年作ったバジルの鉢は、大風の日に落ちて割れてしまったので、また一からやりなおし。今年はプランター栽培に挑戦だ。
アイリスオーヤマのプランター用フック(766円)で、プラスチック製プランター(198円)をベランダの外側に引っ掛け、鉢底土(313円)と栄養土(298円)を入れて、バジルの苗(157円)を植え付けてみた。
これだけだと寂しいので、イタリアンパセリの苗を買って、紫蘇は種を植えてみよう。あとは根が元気なわけぎもつっこんでみたい。
お手製給水装置。これは便利そうだ!
友達を誘って魚がおいしい居酒屋へ。東北出身の舌も充分満足させるお魚だったようで、良かった(おいらは大阪の山の出だから)。田酒も飲ませてもらったら、おいしくて、うわああん、この上(高い)日本酒にはまってはいかんいかんと思った。
何を頼んでもはずれのない店で、刺身はぶりが美味かった! なめろうも最高。うにのバターパン粉焼き(貝の上にグラタンのように乗っている)も絶品だったけど、鼻をかむ前後では味が全然違ったので、相当今日は損しているかも。それでもおいしいからいいのだ。
たらふく食べたので、お会計は9570円。ふー食った食った〜という感じで、お釣りの札束を受けとって、店を出て、割り勘しようとふと立ち止まる。
なんで9570円に1万円札出して、手元に札束があるんだ?
私「……うーん、今、すごく良心の呵責に悩んでいるんだけど」 友「何?」 私「……430円のお釣りが……、4300円に化けている……」
ちゅーわけで、慌てて店に戻って、釣りが多すぎる旨伝えて、返してきました。気のいいおやじさんは、ずっこけのモーション付きでリアクションしてくれたよ! 帰りは回りのお客さんから拍手に送られて出てきた。
いくら何でも10倍は間違えすぎです……。
明日は自転車で遠出する予定。わくわく。
あと、友達に「コーラス」に掲載されている時代小説女性作家のラブコメディ?松田奈緒子『レタスバーガープリーズ.OK,OK!』を勧められたので、メモしておく。なんか、潔い表紙だなあ。
「レタスバーガープリーズ、OK、OK 1 」 松田 奈緒子【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】
GW最後の雨でない日らしい今日、計画では近所の漁港(37km先)まで自転車で行って、スルメを買って帰ってくる……ということになっていたのだが、朝っぱらから小雨が降っていて断念orz。後からみれば、それを無視して出発しても、昼過ぎにはいい具合に晴れあがっていて大丈夫だったかも、ってことなんだろうけれども、今だ鼻をずるずるさせているのに、そんな冒険はできない。途中で降られたら本気で帰れなくなるし。輪行は無理ぽ。
ということで、サンダルを買いに行く。可愛いのが買えた。値が張ったので大事に履くよ。その後も服を買ったりして、突然友達がそのままうちに来ることにΣ('△';。昨日の掃除途中だヨ!! つーか、ほとんど何もしてねえよ!! 状態だったので、正直助かりました。必死で片付けられましたので、ええ、あと2日のGW、雨でもすっきりした部屋で過ごせますのことよ。
その後は、もう一人友達を誘って、3人で突発お好み焼きパーティ。マヨネーズ醤油、バルサミコ醤油はお好み焼きに合うね!とか。
んで、買ってきたものをあれやこれや検証して、明日の課題を設定。ええ、明日もがんばりますとも。
でもなあ、明日でも明後日でも、雨さえ降らないでくれたら……、自転車で走りたいのに……。今を過ぎると気温があがっちゃう。多分、体力的にダメージが残るので、連休にしたかったのよ(´・ω・`)。
1時間がっつり泳いだ後、ブクオフで立ち読みなぞして、徒歩20分ぐらいかけて、近所の温泉銭湯へ(泳いですぐにお風呂はNGらしい。よく知らんけど)。
レトロといえば聞こえはいいが、要するに古い銭湯なので、別に設備が良いとかいうわけではない。古き良き番台式で、脱衣場には洗面所すらなく、お手洗いに行くにも、たてつけの悪い引き戸をやっとのことで開けて、縁側(外気直撃)を通り、物凄く傾いた床で足元を気にしなければならないような感じ。サウナもないけど、シャワーや蛇口の数は非常に充実していて使いやすかった。
とりあえず、浴槽はあまり大きくない。源泉?がごぼごぼ湧いている丸いのと、四角くて比較的大き目の浴槽の二つ。「あまり水で埋めないように。熱いのが苦手な人は、四角い方に入るべし」な紙が張ってあったけど、四角い方で充分に熱かった。42〜3度はある感じ。普段温めの半身浴か、40度ぎりぎりのぬる目のお湯好きには辛かった。すぐにのぼせるし。なので、体を洗ってはつかり、髪を洗っては、顔を洗っては、とシャワーで体を冷やしながらの入浴となった。
湯の色は、黒というか、茶色というか、ぐずぐずに煮出しすぎた麦茶のような色。臭いはない。さらに、今日は菖蒲湯だった。見るまで全然気がつかなかったけど、5月5日だもんねえ、得した気分。
開店してすぐの15時半だというのに、お風呂場はおばあちゃんでいっぱい。98%がおばあちゃんでしたとも。銭湯文化は老人に支えられているんだなあと思う。お互いにおしゃべりしたり、結構にぎやかだったし(脱衣所では体重の告白合戦だった。おばあちゃんたちは、大概40キロ台なのだ!)。そのわりに、小さな浴槽には、多くて4人ぐらいしか入っていることがなく、やっぱりおばあちゃんたちにとっても、湯温が高すぎるのだと思った(それで慣れているんだからいいんだろうけど)。洗い場は混んでいるように見えても、蛇口が十分あって、醜い陣取り合戦になったりしないのがいい(某スーパー銭湯は酷かった)。
あがって、髪を乾かした後、名物らしい温泉卵(2個100円)を買おうか相当迷ったけど、買わず。ラムネも売っていたから、飲んでも良かったかなあ。次回にしよう。
外に出ると、まだ小雨が降っていたけど、いやあ、温泉のすごさってのは、あがってからわかるもんだねえ。肌寒くても、体の中心からほかほかしてくる。3時間が経過した今もまだ、なんだか暖かい。手の甲や腕を触ってみてもすべすべだ。帰って調べてみると、アルカリ系?「効能は美肌作用、神経痛、筋肉痛、関節痛、痔、冷え性、火傷、慢性皮膚炎など」「乳化作用がある為、毛穴の汚れがお掃除でき」とあるから、今度行ったときは、蛇口から汲んだ温泉で顔を洗ってみよう。
泳いだ疲れも、ちょうどいい具合にほぐせた感じだし、プール→銭湯が定番コースになりそうな予感〜。いいお湯でした。
文字通り決算。家計簿をつけて卒倒しそうになる。ええもう買い物週間でしたからはい。まあ、総じていい買い物だったと思えるので、うん、今まで溜め込んだ分だと思えば。
GW突入直前(丸井のバーゲン前)から付けていなかった割には、誤差は800円前後ですんだ。あっぱれと言うべきだろう。って、まめに登録せにゃ。と思ったら、163円のプラス……あれ?
ちなみに結局家計簿ひかると、ひかるメモをつかっています。マスターマネーはせっかく買ったのに、Palm版の使い出があまりに悪くて……。メモに毛が生えたような機能しかなくて、Palmで昼休みにちまちまつけるのが楽しみな私にはあいませんでした(T-T)。ちゃんと試してから買えって感じ。
結構あちこちで誉められているので、行って来た。すごーく良かった!! ウェルメイドな映画って、こういうもののことを言うんだなあ……。GW明けの木曜日16時40分の回で、1〜2割の入り(20分前に行って、整理券が20番台)。恵比寿で見る人は、先にTSUTAYAで前売りを買ってから見ると吉ですよ。
ベルリンの壁崩壊の直前に、心臓発作から昏睡状態に陥った母。8ヶ月後、覚醒したはいいものの、絶対にショックを与えるなと医者から言いつかる。幼い2人の姉弟を残して父が女目当てで西に亡命してからというもの、熱心な社会活動家として女手一つで子供たちを育て上げてきた母にとって、目覚めたら社会主義が崩壊していたなんてこと以上のショックがあるだろうか? アレックスは、母を守るため、恋人、姉夫婦、友人、隣人達を巻き込んで、架空の東ドイツ的環境をでっちあげることを決意するのだった。こういうシチュエーションなら、もっと大げさに、もっとスチャラカになってもいいようなものだけれど、意外なぐらい過剰なところがない。非常に丁寧に作られた映画で、本当に素晴らしかった……。手指の先、髪の毛の先まで、丁寧に行き届いた作り方をなされていて、ああ、全ての映画がこのようであったなら……(それはそれで面白くないかもしれないけど)。昨日の正義が今日の悪となる激動の時代を生きてきた母。その母の幸せを願い、欺瞞によって救おうとする息子。うそ×うそ=ほんとう? 本当の幸せとは何だったのか、本当に母が望んだのは何だったのか、本当の母の姿とは何だったのか。アレックスが行っていることは、果たして「正しい」のだろうか?
何がいいって、映画に登場する人たちのそこはかとない好意が過不足なく描かれているところが。悪者が登場しないとか、善人ばっかりとか、下手すると極端に嫌味になりがちだけど、ぜーんぜんそんなことない。それぞれが、おのおのの、しがらみや苦しみや絶望を抱えていながら、それ込みで画面に登場してきて、ほわんと好意を広げていく様というか、うまく説明できないけど、そういうところがすごくいいのだ。
元東ベルリンが舞台なので、たいがいの人が東西統一の煽りを受けて、急激な西化に直面して戸惑っている。姉のように(ある意味)適応している者もあれば、老人たちのほとんどはかつての地位や職を失ってしまった。彼らは皆、社会が自由を謳歌している中で、失ってしまったかつての連帯感だとか、懐かしさ(終わってしまえば、何だって良い思い出になり得る)を、アレックスの母の前で思い出して、ほっと息をつく。
ラストがね、もう、本当にいいんですよ!! あれ、字幕だとちょっとあからさまになりすぎてしまわざるを得ないんだけど、ドイツの人がドイツ語できくことが出来れば、本当に二人と一緒に、ニヤニヤ(ニコニコ)していられるのになあ。最後の最後まで息子は母のために尽くし、母はその思いを150%受けとめて逝ったのだ。真相を知っているのは、恋人のララと観客のみ。バカチンなアレックスも可愛いねえ。
映画監督志望の友達が作る偽造ニュース(コカ・コーラのくだりは素晴らしい!)も面白いし、手を差し伸べるようにやってくるレーニン像のような笑い所もありつつ、全体的には、非常にしっとりとした微笑を浮かべるような映画だった。お母さんは死んでしまうけれど、涙ぼろぼろ号泣、という演出がないのもナイス。パパとのくだりも、抑えた撮り方をしているのが良かった。
ていうか、ララちゃん萌え……。可愛い上に、すごく脚がきれいなんで、惚れ惚れしちゃうですよ。前半煙草吸っていてイメージ悪かったんだけど、後半はあまり吸っていなかったような気が。気のせいかしら?
とにかく、すごくいい映画。お勧めです。
「穴」 ルイス・サッカー, 幸田 敦子, Louis Sachar【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】
風野先生の掲示板で、ルイス・サッカー『穴』のディズニー版実写映画【amazon.co.jp】が紹介されていて、「シガニー・ウィーバーの怪演」が見たくてたまらなくなる。し、シガニー・ウィーバー!! 当然女所長役。は、はまりすぎ……!! 実際に見る前に何だが、こんなにイメージぴったりの配役が、いまだかつてあったであろうか。なんかもうたまりません。あと、ビジョルド『ヴォル・ゲーム』のサド女もシガニー・ウィーバーのイメージ……。私のシガニー・ウィーバー観は散々だけど、それもこれも山田正紀のせいということにしておいてください。『エイリアン』は1本も見たことないです。
ところで、今日、バルガス=リョサ『世界終末戦争』の第一部終了(p160。写真のひも栞のところ)までたどり着いた(ちなみに隣の文庫本は旧版『雪風』)。全700ページの大部だから、まだまだ〜という感じだけど、意外や意外、読み始めると無茶苦茶面白くて、さくさく読める。元々群像劇大好き風味なところに加えて、第一部終盤の救世主対政府軍の戦い、ガリレオ・ガルの逃亡なんぞ、手に汗握るエキサイティングな展開であった。でもとろいし分厚いし、持ち歩くには大きすぎるので、実質ここまでで1週間はかかっている。
で、謎の救世主、賊出身の用心棒、政府軍との対立などという記号から、なんとなく『イズァローン伝説』を連想していたら、今日になって人面ライオンだの水のありかを予知する乙女なんぞが出てきて、シンクロ率一気に高まり中。……なんて書いていたら怒られそうなぐらい実際には全然違うんだけど、脳内挿絵が完璧に竹宮恵子になってしまった……orz。我ながらそれはどうかと思わざるを得ない……。漫画に当てはめる癖は何とかならないものか。
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「イズァローン伝説 」 竹宮 惠子【 bk1 / amazon / Yahoo! / 旭屋 / Jbook / 紀伊國屋 / 楽天 / skysoft 】
もう、前半のチグラーシャのいたずらっ子ぶりなんて、すごくかわいいわけですよ。そのチグラーシャが、川も凍りつく冬の町に放り出され、だんだん弱っていく様(びっこを引き、毛がぼさぼさになり、やせ細り)はものすごくリアルだったし、烏にいじめられるシーンも怖かった。でも、白眉は犬に襲われるチグラーシャをウーチャン似の猫が救う場面だろう。これは見事の一言。検索すると色々情報が得られるけど、この場面は演技じゃないらしい……。そして、クライマックスの家族との再会場面!! そう来たか〜と唸ってしまった。いい話だ。
うん、「猫」を見る分には、確かにいい話なんだけど。描かれている人間の生活に目を向けたときに、その印象は180度変わってしまう。暖かい家族と家に恵まれ、好きなフルートを生業とする主人公一家のお父さんと、猫サーカス団を夢想しながら、雪かきの仕事も首になり、憧れの女性に告白することもできず、猫だけに囲まれて暮らし、地上げ屋にいじめられ、今にも家を追い出されそうなチグラーシャの恩人、この対比。
いや、彼は彼なりに幸せ、なのかもしれない。彼をお父さんに比べて不幸などと言ってしまうのは、私の身勝手であり、価値観の押し付けなのかもしれない。単にこの差こそが、モスクワの姿なのだ、ということなのかもしれないけど、私はそれがわかるほどモスクワを知っているわけではないのだ。なぜ、敢えて彼のような登場人物を選んだのか、私にはわからない。でも、このコントラストはあまりにきつすぎる。厳しすぎる。「ハートウォーミングな映画」には、あまりにも不似合いだ。底意地が悪いのかと思ったけど、多分違う。ありのままを、容赦なく、シビアに描いているだけのような気がする。でも、単純に猫の映画として見ようとするには、あまりにも重すぎるのよ。おかげで、映画全体が散漫になってしまったような印象。しかも、この落差の意味するところが、最後までわからなかった。いや、わかったのかもしれなけど、とりあえず、最後まで2人が顔を合わせることなく終わったのに、少しほっとした。彼はボリショイサーカスの猫調教師その人らしいが。
もやもやしたものが残るけれども、猫映画としては出色。猫好きなら必見。そうでなければ……、どうかなあ。猫はいいです、猫は!!