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宮崎アニメっぽい、というのには、半分は賛成。ドタバタアニメ風にしてしまえば面白かったかも。ビジュアル的に面白く見せる部分があったり、また、過剰にご都合主義だったりするところも、よきにつけ悪しきにつけ「まんが」的だし。(*1)ただし、この語りなくして、この小説は成立しないので、映像化しても意味がない。そういう種類の小説。
で。まあ、とにかく主人公に魅力が全然ない。間抜けで頭が悪くて、語り口は冗長。決まって窮地に陥るのも自業自得だし、ご都合主義に助かるせいでサスペンス性に欠けるし、伏線や小道具がただひたすら投げっぱなしになるのも、物語を読ませる牽引力を著しく削ぐ形になっている。重要な事柄は全てセリフによって説明され、主人公はそれをただ聞いているだけだ。だがしかし、それら全ての事を含めて「しかけ」や、作品の存在の根幹につながっているわけで、それを一種のカタルシスとして認められるか否かが、この作品の評価を左右するのだが。
物語の必然が、ことごとく面白さと逆行しているんだよなあ。ダウアーの視点、ダウアーの認識力、ダウアーの描写力の範疇をきっちり守っていて、叙述トリックとしては成功しているのかもしれない。それも、あくまで、あとになってあかされた事を読んで初めて感じる事だ。遡ってみると辻褄はあっているけれども、頭から読んでいてネタを推理することができない程度の情報にしかなり得ていなくて、いや別に本格推理小説じゃないんだから、そんなことはどうでもいいのだが。
という感じだったのだが、読書会に参加してみて、とりあえず、面白いと思った人が、どこに面白いと感じたのかは聞いて、ためになった。全てが必然に支配されているこの小説は、一発ネタ小説なのだろう。ネタのために、小説としての美しさ、SFやFTとしての形式を完全に放棄している種類の。そこを受け入れられるかは、各人の許容範囲の問題だと思った。
確かにためになる読書会でした。お疲れ様でした。
フジテレビ木曜深夜1時ごろに放映している番組。フジテレビのサイトによると、毎度名著をネタにした話を30分やっているみたい。昨日、たまたま寝る時にジョイスの「ユリシーズ」の話をしていたので何となく見てしまった。
うげー!! なんで今まで気がつかなかったんだろう? 全然自分のアンテナには引っかからなかったけど、こんな番組やっていたんだ。もう32回って……。
今回はネタ元となる本を読んだ事がなかったので、「ユリシーズ」の舞台となった1904年6月16日はジョイスがはじめて妻と結ばれた日であった、なんて聞いて、「へ〜」という前に、趣味悪〜と思ったくらい。妻としてそれはイヤだろ、とか。
で、次回は、なななななななんと、セルバンテス『ドン・キホーテ』ですと!? うわー、良かった、こんなタイミングで番組の存在に気が付くなんて、これは完璧に運命ってやつだわ! 5巻の途中までしか読んでないけど、絶対に読めという暗示にちがいない。よし、来週は絶対に見るぞ。ビデオの時計合わせなきゃ!!
カフカ『城』(読みかけ)もちょっと見たかった。
『文学といふこと』って、ちょうど十年前だよね。