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ざぼんの皮 2003年 05月


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May.12,2003 (Mon)

三毛猫さん

 すごく人懐こかった。飼い猫だけど、小柄で細くて、とっても可愛い。

プリンセスチュチュ

 アニメイトでストリーミング配信しているので、見ていない方は是非! 本放送は次回最終回に向けて、もう盛り上がりまくり。でも、今週は特番が入って蛇の生殺し状態なのだ。うひー(iДi)。放送形態がああでなければ、もっと色んなひとに見てもらえた筈なのに、弱すぎ。

 とにかくまあ、猫がバレエの先生だったり、アリクイがバレエを踊ったり、そういう変なところも無茶苦茶おかしい上に、ストーリーが……葛藤萌えにはたまりません。ドロッセルマイヤー、マンセー!!

 今なら、初回から見ることが出来ます。急げ。

 などと、本の感想がなかなか書けなくて、お茶を濁してみました。

桃井かおりがマダムしているドラマ

 しかしあれだ。自分が桃井かおりのドラマを見て(・∀・)イイ! と思うとは思わなかった。脚本は屑なんだが、単純に桃井かおりの存在に激萌え……。なんか、すんごい快感なんですが……。なぜだ〜!!! ヽ(`Д´)ノ

去年の今ごろ……

May.13,2003 (Tue)

伊井直行『濁った激流にかかる橋』講談社

濁った激流にかかる橋「濁った激流にかかる橋」 伊井 直行
サイズ: 182 x 128cm 発行: 2000/07 価格: ¥1,900
ISBN4-06-210259-5
『60年に一度の大逆流がやってくる。 激流に分断された市(まち)、右岸と左岸をつなぐ異形な橋の上でそれぞれの生が交錯する瞬間──。世界を凝縮した連作長篇小説。 』

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濁った激流にかかる橋
泥水の激流の右岸に住むさいづち頭の子孫
霧のかかる騒がしい橋からのひそやかな墜落
ドエル・リバーサイドのひとりぼっちの幽霊
橋の上で赤い銅貨のような光を浴びる女
かの有名な氾濫原のバレリーナとその子孫
恋と市長と水しぶきのかかる橋
公式記録による世界でもっとも美しい激流
伝令、激流にかかる橋を征服する
 世界で最大の鉄道自動車自転車歩行者併用橋なのだそうです。また世界で一番幅の広い橋とも構造の複雑な橋とも言われていますが、そんなことは毎日往復橋を渡っている私たちにとってはなんの意味もないことです。
 対岸に通い始めたころ、この橋は、大きすぎて全体を見渡すことができない上に、刻一刻とその姿を変えるとらえどころのない怪物のように思えたものでした。(「濁った激流にかかる橋」)
 すんごく良かった! この人の本は純文学ということで、奥深くはあるけれども、ちっとも固くないし、難解でもない。物凄く丁寧でわかりやすく、かなりきちんとエンターテインメントしている。なのに、出版状況には非常に恵まれていないようだ(【bk1/amazon.co.jp】)。単著16件中、文庫は2冊だけだし、今買えるのはこの本と、恐らく同じ町を舞台にした最新刊『お母さんの恋人』のみ。あああ、なんて勿体無い! 少なくとも『濁流』は、和製SF好きにはかなりヒットする小説だと思うので、もっと読まれて欲しい……。

 ある日突然小川が大河となり、二分されてしまった町で、ただ1本の橋を巡る人間模様。大河小説が、「一群の人々の歴史を、しばしば数世代にわたって、社会的背景から書いた大規模な小説。(広辞苑第4版)」ということなら、洒落でもなく文字通りまさにそれ。かつて穏やかな小川だった流れが、突如激流に変わり、60年後再び海からの逆流に見まわれるまでを9篇の短篇でつづったスラップスティックセンチメンタル大河らぶ浪漫。

 短篇は、それぞれ文体も雰囲気もまるで違っていて、佐藤哲也『沢蟹まけると意志の力』を連想させる冗長文体の自転車通勤アクションから、田舎の幼い恋物語、エキセントリックなラブレター、幽霊物やら何やら。独立した短篇としても面白く、ほぼ外れなしの出来なので、まるで飽きることはない。読み進むうちに、別の短篇で描かれたささいな出来事が、「蝶の羽ばたき」のように、思わぬところに影響を及ぼしたりしていて、みるみる物語の世界が濃密になり、広がりを増していき、ラストで一気にカタルシスをむかえる……というのは、本当にこの手の連作短篇の醍醐味だよなあ。

 提示される風景は、一見非常にシュールなものが多い。どんどん増築されていったために、迷路のように複雑怪奇で、一向に全体像が見えない橋の光景自体、想像するとかなりマンガチック(アニメ『うる星やつら』的イメージが)。登場人物も、額が異常に広くて後頭部が後ろに張り出しているさいづち頭の一族、川辺の掘建て小屋地区で踊る母、恋愛妄想に取りつかれた女性だとか、おかしな人に事欠かない。

 おかしみと真面目さのさじ加減が絶妙で、風景の見せ方が物凄く上手く、短篇ごとに印象的な光景がきちんと読み手の心に刻まれる。でも、その風景は、物語世界を規定するための秩序だったものではない。一人一人が勝手気ままに生きていて、物語はただそれを記述しているだけ。物語が「主張」することはない。時間の流れも明確には記述されておらず(自ずと推測できる)、同じ苗字だからといって必ずしも同一人物とは限らず(田舎だから)、きっちり組み合う事のないパズルの欠けた空間の深みが、物語に立体感と大きさを与えることに成功している。

 そうして、ラストには、思い出のアルバムを一気にめくったときのように、時の流れの残酷さの中に揺らがない、人の思いの強さに打ちのめされるのだ。川は激しく流れるけれど、橋は決して流される事なく、果てしなく複雑に成長し続けて、今もそこに架かっている。毎日毎日、右岸と左岸に沢山の人を渡しながら。

お母さんの恋人「お母さんの恋人」 伊井 直行
サイズ: 182 x 128cm 発行: 2003/04 価格: ¥1,700
ISBN4-06-211808-4
『読売賞作家が描く「右岸と左岸を結ぶ恋」。2人が出会った時、お母さんは36歳、お父さんは17歳。激流によって豊かな左岸と貧しい右岸に二分された市を舞台に描く、ちょっと不思議で切ないラブストーリー。』

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去年の今ごろ……

May.14,2003 (Wed)

伊井直行『服部さんの幸福な日』新潮社

服部さんの幸福な日「服部さんの幸福な日」 伊井 直行
サイズ: 182 x 128cm 発行: 2000/01 価格: ¥1,700
ISBN4-10-377103-8
『飛行機墜落、"奇跡の生還者"となった服部さんを次々と襲う不可解な出来事。疑惑の財界人の元秘書はなぜ執拗に彼を狙うのか。服部さんは遂に立ちあがる。』

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 飛行機は割り箸を割るようなピチッという重みにかけた音を立てて、二つに折れた。
 服部さんは座席ごと胴体の割れ目から空中に放り出された。何回転かしたあげく座席の脚部を下に垂直に海面に落下した。衝撃は服部さんが予想していたよりはるかに軽かった。
 二つに折れた飛行機のうち、胴体部は横倒しになって左翼の先端から、ちぎれた尾部は尖った後部を先にして沈んでいった。
 服部さんの座席も沈みつつあったが、飛行機が海中に引き込まれていく素早さに比べると、その沈下の速度は緩慢といってもいいくらいだった。しばらくの間、服部さんは海の上にすわっているかのような気分を味わった(別にいい気分ではなかった)。
 服部さんは、まあ、概ね、普通のサラリーマン。ところが、墜落した飛行機から辛うじて生還してから、状況は一変。身辺をかぎまわる妙な人物がいることに気付く。やがてもう一人の生還者である高木さんが失踪し、服部さんの周囲にも魔の手が……。

 というお話。サスペンス風、なのかな。非常に嫌な話だった。けなしているんじゃなく、その手腕は見事だと思う。でも、この手の嫌な話はどうもしんどくて苦手。登場人物のちぐはぐな悪意の描写がメインで、サスペンス的な展開に重きはないというのはわかるのだが、ストーリーの牽引力が弱いので、イヤ〜な印象だけが残ってしまう。実際イヤな話なので、これはこれで正しいんだけどねえ。

 飛行機が墜落するくだりは、ドタバタユーモア小説の趣で、非常に楽しい(不謹慎だが)。その後のマスコミとのやりとりや、木さんとの絡み、墜落のトラウマ……の方向で話を引っ張っていくのかと思いきや、物語は無茶苦茶以外な展開に。

 服部さんは、まあ、いい人ではある。でも、妻との関係は冷えきっていて、離婚する気はないんだけれども、不倫していて、どっちも大事とか思いながら、罪悪感を身体に蓄積しつつ、日常から逃れる事が出来ない/逃れようとしないでいる人。決して幸福ではないが、破滅的に不幸ではない。人生を謳歌しているでもなく、死にたいほど苦しくはない。生きているような死んでいるような、ただ時間が流れている中に「いる」日々を過ごしている人。その思考展開は、嫌になるくらい、「普通」で、非常によく書けていると思う。

 服部さんの状況は、結構自業自得。そこへこの降って湧いたような災い(墜落事故ではない)。決してそんなものを服部さんが望んだわけではないだろうし、服部さんにとっても迷惑千万なことなんだろうけど、ものすごーーーーく、服部さんにとって都合のいい展開、ただそれだけであるような気がする。だから、『幸福な日』なのかも。服部さんにとっては、その日常を打破することは、恐らくこの上なく幸福な事であろうから。

 なんだか、「地震が起きて日本が破滅しちゃえば楽になるのになー」などという他力本願な夢想を抱いていたら、それが起こっちゃって、結果的にラッキー、みたいな。こういう主人公に感情移入すると、ひたすらしんどくなってしまうんだよ(T-T)。ああそうか、私が苦手な日常逃避系ファンタジー小説に類似した構造なんだ。奥様家族は、この小説における異世界発生装置。私たちの現実とも、物語中の現実とも、違った次元と、違った理論(倫理)で動くファンタジー的な存在であるわけだ。んで、服部さんはそれに巻き込まれて、もとの場所には帰ってこない。行きっぱなしの物語。

 人によっては、ちっともイヤな話じゃないのかも。異世界行きっぱなし逃避系のお話が好きな人には、ものすごいカタルシスが味わえる……のかもしれない。上手さは感じるんだけれども、それが私の一番嫌な方向に発揮されてしまっている。単純に合わない……だよな。

 関係ないけれども、この人は、声に色気を感じる人なんだろうか。あと、服部さんの奥さんは「さいづち頭」一族らしいです。

去年の今ごろ……

May.20,2003 (Tue)

ガルシア・マルケス『百年の孤独』

百年の孤独「百年の孤独」 G. ガルシア=マルケス (著), Gabriel Garc´ia M´arques (原著), 鼓 直
サイズ: 182 x 128cm 発行: 1999/08 価格: ¥2,800
ISBN4-10-509008-9
『愛の欠如のなかに生きる孤独な人間の生と死、相つぐ奇想天外な事件、奇態な人々の神話的物語世界―マコンド村の創設から百年、はじめて愛によって生を授かった者が出現したとき、メルキアデスの羊皮紙の謎が解読され、ブエンディア一族の波瀾に満ちた歴史が終る。世界的ベストセラーとなった傑作長篇の改訳。ノーベル文学賞受賞。』

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 今更、やっと、読みはじめ。手にとってみると、思ったより厚さがない本なので、なーんだ、と思いながら読み始めたんだが、ページ辺りの文字数がむちゃくちゃ多いっすよ! 感覚的には結構さくさく読めている気がするのに、全然ページが進まない。逸話が、それぞれは短いくせに密度が思いっきり高くて、しかもバリエーションに富んでいて、時間が大胆に過ぎていくのに、年月はあまり経っていなかったり(ぽんぽん子どもが生まれて、随分色んなことがあったなあと思っていたら、5,6年しか経っていないとか)。脳味噌が沢山イメージを受け取っているのに、話が全然進展していないのだった。とりあえず、こういう場合、厚みが増しても、文字数を減らして、ページをぺらんぺらん捲らせた方が、読むほうもテンポが掴めていいのかもしれないと思った。現在42頁。

 きくところによると、新しい版には家系図がついているらしいのだが、借りた本(1972初版/1991年38刷)にはついていないので、おさらいがてら人名をメモしていくことにする。既に怪しいんですが。ていうか、ネタバレかもですな。

  • ホセ・アルカディオ・ブエンディーア:マコンド村を作った人
  • ウルスラ:その妻
  • ホセ・アルカディオ:その長男
  • アウレリャーノ・ブエンディーア:次男
  • アマランタ:長女
  • ピラル・テルネーラ:ホセ・アルカディオの恋人
  • アルカディオ:ホセ・アルカディオとピラル・テルネーラの子
  • レベーカ:ニカノール・ウリョアとレベーカ・モンティエルの娘
  • ビシタシオン:グアヒロ族の乳母
  • プルデンシオ・アギラル:死者
  • メルキアデス:ジプシー>死者
 ……やっぱり家系図あったほうがいいかもですな。

今日の仕事。

 珍しく色々な本があって、楽しかった。冊数は普通(でも、280)。

 Webで話題になっていた復刊物のゲームブック、さわりだけやってみたら、ハマリそうなヨカーン(゜Д゜)。

 他にも色々。

去年の今ごろ……
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