【bk1/amazon.co.jp】おお、まだ現役!
収録作は「怪物」宇野輝雄訳,「幸福の代償」小尾芙佐訳,「祭壇」風見潤訳,「体形」福島正実訳,「時間に挟まれた男」風見潤訳,「人間の手がまだ触れない」稲葉明雄訳,「王様のご用命」峯岸久訳,「あたたかい」小笠原豊樹訳,「悪魔たち」風見潤訳,「専門家」小笠原豊樹訳,「七番目の犠牲」小尾芙佐訳,「儀式」風見潤訳,「静かなる水のほとり」風見潤訳
全く期待せずに読み始めたのが良かったのかもしれないが、こんなに面白いものとは思わなかった。びっくり。初出を見ると、13篇とも1952〜53年の作品となっていて、50年も前のものなのだ。しかし、そんな短期間にこんなのを13篇も出したということも、驚きだよ。
とは言っても、別にアイディアが目新しいってわけでもなければ、物凄いサプライズがあるわけでもない。逆にどうしてこんなに自分が面白いと感じているのかがよくわからないくらい、今となってはありきたりなものが多いような気がする。展開も能天気で楽天的だし、似たモチーフの話もあるし、13本のタイトルと内容が既に頭の中で繋がらなくなってしまっているくらいなのだが、もしかして単にレトロ小説ブームなのかもしれないとかなんとか、最近自分の感動に対してすら懐疑的になってきているのは悪い傾向だわ。いやもう楽しかった、それだけ。特に物凄い傑作とは思えないけれども、こういう(スタンダードで普通に面白い)本がまだ買える状況は幸せだ。
ベストは「専門家」。「体形」「時間に挟まれた男」辺りも捨てがたい<このセレクトは欲求不満系かも。「怪物」「儀式」もいい!<性格悪〜。でもトリに「静かなる水のほとり」を持ってくるのは卑怯でしょう。せ、切なすぎる……。
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「日本に行くような交渉を受けたときに、何はさておいても行かねばならぬと思ったのは、日本の美しい自然を見るためばかりではありません。相対性理論とはどんなにやさしい簡素なものかということを日本の皆さんにお伝えして、私が日本を去る時は、皆さんが『なんだ、あんなやさしいものが』と言われるようになることを深く希望しています」[編訳]杉元賢治【bk1】。そう、あの超絶爆笑ノンフィクション・ドキュメンタリー・ロードムービー『アインシュタインの脳』の「そうそう」の人。他に『アインシュタインの東京大学講義録 その時日本の物理学が動いた』【bk1】『大追跡!!アインシュタインの天才脳』【bk1】なんかも出している。関連サイトもあげておこう。
幻の日記、全世界に先駆け初出版!!
来日80周年記念!! 日本滞在43日の全記録と「講演録」完全再現!!
というわけで、でいいのかどうかわからないけれども、これはアインシュタインのファンブック。あまりアインシュタインに詳しくない私が読んでも、編者の溢れる愛にほんわかしてしまった。アインシュタインの日記も全て写真図版対訳、当時の新聞記事、写真、当時の人々のコメントも満載の豪華本。講義録はなるほど平易で、なんとなく分かったような気に(だけは)なれるぞ。
それにしても、アインシュタインブームの熱狂ぶりがおかしい。女子高生にもみくちゃにされたそうで、日記でも相当疲れたようなことが書かれてある。凄まじかったのだなあ。紹介されている「アインシュタインの相対性ぶし(空前のアインシュタインブームに乗って当時はやったらしい変な歌)」もいい。
♪惚れて通えば千里が一里、主を待つ間のこの長さ、おやまあ相対的ですねほんまにこんな歌が流行ったんかいな。内閣での相対理論論争ぶりもまた楽しい。
人に上下の隔てはあれど、恋に上下の別はない、おやまあ相対的ですね
アインスタインさんは心からかわい、かわいはずだよ
アイシタイン(愛したいん)だもの、おやまあ相対的ですね
帯や見返しが日本人礼賛的な引用に集中しすぎているように見えるのが、ちと違和感。もっと面白い文章は沢山あるのになあ、と思うんだけど。
会社の上司からすぐ作れ!と命令されてしまった。パソコン嫌いの彼女から作って〜とお願いされた。家族を代表して××家サイトを作るハメになった。経験がないのに、つい仕事として受けてしまった…etc.そんなアナタのための本邦初他人のために作るホームページ入門書です。
徳間書店のサイトより。
秘密の町工場でつくられているザリガニ怪獣。ある日の爆発はトーノヒトシを変身させた!?
待望の「かめくん」(感想リンク)姉妹篇。
で、挿絵は菅原芳人とかいう人。
……え"……?
どどどどどどどど、どんなんになるんだーーーーーー!?
い、いや、絵的には好き系なんだけど、はは。
クラゲリンクには、のだなのだ(10/1)@のださん【格納場所】(どうして更新リンクであがらないのだー)、ライト述べる@RAOUさんを追加。
今日は会社だったので、はや売りをゲットできず。うおおん。【bk1】では既に表紙画像が拝める。……かっこよすぎます(滂沱)。
『有限会社ムゲンテック』の社員トーノヒトシは「人類の敵」を開発する最中に、謎の爆発事故に巻き込まれた。破壊された機材、飛び散った現実。生体素材(ザリガニ)と人間(マン)とのインターフェイスは思いがけない事態に発展。彼は「正義の味方」ザリガニマンとなってしまったのだ。ゆけ、トーノヒトシ! 戦えザリガニマン! 書き下ろしだよ、ザリガニマン!! あの「かめくん」の姉妹篇が登場だ!邪推その10辺りが、まさか……。いやいや、読まねば、読みたい、楽しみ。
日記を読んで(更新時刻で上がってこなかったのだった)。
長編は3作目の「妻の帝国」がかなり前に完成しています。一人称の作品で、自分ちの女房がSOHOで独裁者を始める話ですが、わたしが意図した範囲ではお笑いは入っていません。「喉から手が出る」というのは、単なる慣用句ではなく、身体感覚として、まさにそんな感じなのだと知った。欲しいっ!! 読みたい! 読みたいよ!! もうそれこそ、留守の佐藤家に押し入って、原稿にだらーっと涎を垂らしたいと妄想するくらい(多分、紙じゃなくてデータなんだろうけど)。
それから今年の春には長編4作目「熱帯」が完成しています。日本の夏は暑いという話ですが、そこへ謎の秘密結社や外国の間諜、謎の官僚組織や謎のソフトウェア開発プロジェクト、謎の水棲生物などが絡みます。
で、昨日(9/30)のことですが、短編集「アニシカ王」が完成しました。 "その昔、とあるところにそれは小さな国があった。あまりにも小さいので地図に載ったことがなかったし、旅行者向けの案内書にも載ったことがない。" で始まる45の超短編(平均6-7枚?)で構成されていて、なぜ45かというと、それぞれのタイトルが「あ」で始まって「ん」で終わっているからですね(や行は3音、わ行は1音で数える。ああ、間抜けなことをやった)。
今年の5月、『沢蟹まけると意志の力』【復刊.com】以来5年ぶりに、唐突に発売された『ぬかるんでから』【bk1/amazon.co.jp】は、何度でも繰り返すが壮絶なまでに傑作だった。もう、暴力。
凄かった。いや……。それ以上、ネタバレせずに語れる言葉がない。
難解、ということはないと思う。少なくとも、これまでの3冊の単行本、そのどれと比べても、最も分かり易いことは間違いないのでは。否、歴然と、無茶苦茶分かりやすい。それでいて、北野勇作の傑作であり続けられている。それが嬉しくもある反面、……気がつけば、歯を食いしばっている自分がいる。ああ、これがアンビバレントってやつ?<ちょっと違うか??
まさかこう来るとは思わなかったというショックが半分と、やはりこう来たかという(落胆|喜び)が半分。良い意味でも、悪い意味でも、こっぴどく裏切られた。つーか、裏切りすぎ……。そこまでしますか。打ちのめされました。やっぱり凄いよ。普通こんなことしないって。
落ち着いたら続きを書きます(多分別ファイル)。風呂風呂。
というわけで、『ザリガニマン』ネタバレ感想。ただの感想です。私は結構満足でした。
朝から髪を切った後、ブックオフで見つけたので立ち読み。ずいぶん前月下工房で見て(1,2)興味は持っていたのだが、何しろ私は園田健一があまり好きじゃない。『ガルフォース』はテレビで一通り見て(どこにどれだけ噛んでいたなんていう知識はまるでなし)、どこが面白いんだかさっぱりわからんちんであったのだ。絵は好きなほうだし、漫画も読んだ筈だけど、全然印象に残っていない。
しかし。私、こういうの無茶苦茶弱いのだよ。ダメだ、『最終兵器彼女』と同じで、読んだのが間違いでした。既に負け。こういうタイプの続き物漫画は、はまったら地獄だし(これ、刊行ペース無茶苦茶遅くないか? 年1?)、終わってから読んだほうがいいに決まっているのだ。リアルタイムで追っかける楽しみは無茶苦茶でかいんだろうが、気力が追いつかないんで。それに第一、これにはまるのは相当癪だという気がして。
男の子的にはどうかはわからないのだけれども、やっぱり私はギャル(としか言いようが)が余計で鬱陶しいものにしか見えないのだった。あと、ちち。気持ち悪いほどでかいちちではないし、許せる範囲内なんだけれども、やっぱりこのちちは何だかイヤン。私は多分園田健一のこういう所が苦手なんだろうなあと、ちゃんと認識できた。
でもこういう邪魔ッけな所を抜いたストーリーは、まさしく王道。ツボ。宇宙人の侵略(いきなりペンタゴン破壊されているし)、対する戦う孫とジジイ。はた迷惑な正義の巨大ロボ、巻き添えになる市民、葛藤。うわああああん、はまるなって方が無理だよっ!
ぜいぜい肩で息しながら読み終わり、買おうか買うまいか迷った挙句、結局買わなかったのは意地なのだが。ああ、しかしそのうち買うんだろうなあ。続巻が出たら、書店を走り回るんだろうなあ……。
なんてことを考えながら、本を棚に戻したら、すぐ傍でご近所さんがニヤニヤ笑っていた。びっくりしたなーもー。
猫又通りから、送料込み500円(領価300円)で購入できます。
存在自体は知っていたのだが、『月猫通り』の特集が、結構面白くって、おもわずその北野勇作という作家の本を買って見たら、これが面白かったとあって、読んでみたくなったのだ。
内容は、チャットインタビュー、作品紹介、各論、小説作品リスト。インタビューは、いつもの通りの内容(クーラーの話とか)。各論では、『火星』に関して夢(非量子問題)説を取っている。あと、最後の奴については、ほえほえとしか言いようがなく。ほえほえ。小説作品リストは、『北見原発電所第四号炉の暴走』(「SFアドベンチャー」1987年9月号)なんかの「SFA」投稿作品まで追っているのが嬉しい。
他に創作小説を中心に167ページ。こちらにはまだ目を通していなかったり。
『ザリガニマン』もぼつぼつ再読。短い長編というより、長い短編という印象だよな。超アンビバレントな感じ〜なので、読み込みまで気持ちが追いつかない。好きか嫌いかといわれれば「大好き」なんだけれども、そこに辿りつくまでに5分間くらいは語りつづけなければいけないような。うわああああん。
『ぬかるんでから』文芸春秋(2001)【bk1/amazon.co.jp】
真面目な話、この人の本は「読む前から傑作を保証したい」といよりも、「傑作に決まっておろうが!」ですわ。物凄いモノだと解りきっているのに、それが存在するのに、読むことが叶わないなんて! 理不尽極まりない。自分ちの女房がSOHOで独裁者を始める話ですが、わたしが意図した範囲ではお笑いは入っていません。なんて、想像しただけで体が震える。ああ、すぐそこにあるのに! どうして読めないの。
でも、本当に『ぬかるんでから』【bk1/amazon.co.jp】を新刊情報で見たときには思った。『イラハイ』も『沢蟹』も、新刊市場から消えて久しいのに、どうして出たんだろうかと。新刊予告を見たときは、もしかしたら『鏡の影』でちょっと騒ぎなった、佐藤哲也に比べれば知名度のある佐藤亜紀(も当然大好きな作家だが)に便乗して出しただけじゃないかと不安になったりしたけれども、実物を見てそれは吹き飛んだ。
だって、カバー装画が大友克洋! これまでの著作が全て増刷もなく入手困難な、状況だけを見れば無名で忘れられている作家の、ましてや初の短篇集に、大友克洋(高そう)のカバーを付けますか。表題作が載った『日本SFの大逆襲!』で、一緒に描いてはいるけれども。
しかし良かった、文春(の担当)さんは佐藤哲也を大事にしてくれているんだと。正直帯の引用文は超ネタバレ(完全に興を削ぐよね)でどうかと思ったけど、笙野頼子の推薦文も良かったし。読めて幸せでした。ありがとう。
そして新作も、本当に頼みます。誰か出して、お願い。マジでファンドでお金集めれば、何とかなりそうだし、何とかしなければという気にすらなるよね。これが出版されないのは人類にとって損失だよ。まだ読んでないけど。