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ざぼんの皮 2000年 07月


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Jul.22,2000 (Sat)

ホーガン『星を継ぐもの』読中

 部屋にいたのでは、暑くて堪らんので、図書館に行ったり、ファミレスに行ったりして、読書。おかげで、『星を継ぐもの』は早くも半分位まで読めた。なんか、ユルゲン・ローデマン『最後の惑星』を連想させる展開<ちゃうか。

 しかし暑くて暑くて、気力が減退中。寝不足が痛いなあ。木曜日の晩も、やっと寝付いたと思ったら、機種変更したPHS(メールが使えるようになったよ)がビービー鳴りだして、直後また地震で起こされて。金曜日も会社で地震にあい、それからというもの、自分が揺れているんだか、地面が揺れているんだか分からない状態が続いている。うつぶせで本を読んでいると目眩がするなあと思ったら、自分の鼓動で体が揺れているだけだったり。要するに過敏になっているのだろう。

 こうなると、まず一番最初に影響が出るのが、食事だ。料理を作る気が全く起こらない。今日はサミット記念で、沖縄やきそばのカップ麺。二度目だが、結構美味で気に入っている。

 しかし、このままでは確実に太る。外食も増えて、財布も淋しいし。ただでさえ、毎月赤字だというのに。でも、この時期に夏休みを取るのは正解だったようだ。月末から上膳据膳の大阪だ。

 図書館で、夏休み本を物色。借りたのは、毎年借りている(そして読めていない)ダン・シモンズ『ハイペリオン』と、ジェイ・イングラム『天に梯子を架ける方法』、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』。分厚くて、重くて、持ち帰るのは面倒だが、普段は読めそうにないし。古川日出男『アビシニアン』は他館所蔵なので、一旦諦め。飯嶋和一『始祖鳥記』は職場の近所の図書館で借りる予定。

去年の俺様

Jul.23,2000 (Sun)

納涼

 昨夜、近所ではタバスコが飛び交う騒ぎだったらしいが、私は早寝していたので、参加できず。というわけで、今朝は早起き。9時だけど。起きたらやっぱり暑いので、当初の決意どおり、ダイエットと納涼も兼ねて、プールに行くことにした。大抵、決心しても萎えるんだけど、こう暑けりゃねえ、行かざるをえまい。起きちゃったんだし。午前中のプールは、泳ぎにくくないほどに空いていて、1時間少し、たっぷり水に浸かっていた。12時前にあがって、日焼け止めをたっぷり塗った後、自転車で気になっていたラーメン屋にレッツゴー。って、ダイエットは……。

ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの』創元SF文庫(1980)

 その後、近所のファミレスに篭って、ホーガン『星を継ぐもの』を読了。

 インフォシークで、「ホーガン 星を継ぐもの」で検索したら、547件引っ掛かった。でも、私の読感は、砂を噛むような感じだった。感銘を受けたんだが、手応えがない感じ。どこが悪かったのと問われれば、いやあ私が悪いんですと言っちゃいそうな。ノリが悪くてごめんなさい。

 月で5万年前の人間の死体が発見された。分析してみると、どう考えても地球人そのものだ。という謎がまず提示される。それに対して、様々な分野の科学者が仮説を繰り出し、それがひっくり返されて新たな仮説が生まれ、さらにその仮説をひっくり返す新事実が次々と判明していくという趣向。仮説も、展開も、非常に分かりやすい。最後はコロンブスの卵的発想により、それらの謎が一本の糸で結ばれる。

 その解決から導き出される真相には、おセンチにもぐっときた。ハリウッド映画的画面で、頭の中に展開されちゃったりして、感動した。でも、この小説で感動すべき中核からはかなり外れているだろう実感があって、砂を噛む違和感が残る。

 やっぱり、主人公にも敵役(?)にも今一つ実在感を感じられないまま終わってしまったのが駄目なのかもって、「人間が描けていない」論を持ち出しますか、私は駄目すぎ。いや、私の敗因は恐らくまさにそこにあるのだが、それをこの小説に求めるのは、ものすごく間違っている気がするので、求めてしまう私の脳味噌が悪いんです、ごめんなさい。

 とか言いながら、読了後は『ガニメデの優しい巨人』を借りに図書館に走ったのだった。なかったけど。

去年の俺様

Jul.24,2000 (Mon)

R・シルヴァーバーグ編『ミュータント傑作選』講談社文庫(1979)[7/11]

 これは「本棚をふさいでいる名作文庫をやっつけようシリーズ」ではない。最近100円で買ったばかりの本だからだ。たまたま手持ちぶさたなところに、何気なく手にとってみたのだが、これが意外に面白い。久々に会社から帰って、そのままベッドでじっくり読んでしまった。

 今朝読みはじめて、11編中7編読了。私にしては、猛烈なペースである。

_ポール・アンダースン&F・N・ウォルドロップ『明日の子供たち』

 核戦争後、ありとあらゆる場所で奇形児が生まれ、絶望する話。特に目新しくはなく(まあ、そもそも邦訳されてから20年以上経っているんだが)、普通。『弟を地に埋めて』とか、『悪魔の降りた街』(<これはダイオキシン物か)とか、ジュブナイルでもお馴染み。

_ジェローム・ビクスビィ『きょうも上天気』

 超能力ベイビー物。これも別に目新しくないが(以下同様)、面白かった。大人たちの恐怖と、絶望的なやりとりがなかなか。

_フォレスト・J・アッカーマン『だんまり』

 2ページのショートショート。小話。

_フレデリック・ポール『蟻か人か』

 私はやっぱりグロテスク系、生理的嫌悪系のホラーは苦手……じゃない、最も良い読者なんだろうなあ。この程度でキモチワルイですか私はと思いつつ、実際気持ち悪かったし、読むのもやめられなかった。まあでも、これも別に目新(以下略)。

_マーク・クリフトン『征服者』

 微笑ましくも恐ろしい話、なのか。『蟻か人か』の後だったので、どんなにキモチワルイ事になるのかと身構えたが、そうはならず、目新(検閲済み)。

_ラルフ・M・ファーリー『液体生物』

 これは好き。昔のふくやまけいこ的(いや、それよりもちょっと固いが)寓話。軽くぺろんと自分の弱点を喋ってしまう液体生物が可愛い。

_ブライアン・W・オールディス『終わりなき午後』

 著者とタイトルを見て、飛ばそうかと思ってしまった。オールディス『地球の長い午後』を読んで、全然面白味を感じられないまま、途中で投げ出してしまったのは、中学1年の頃だったろうか。が、読んでみて正解。当時何が読めなかったのか疑問に思うほど、面白く分かりやすい世界。これなら、夏休み実家を掘り返して『地球の〜』を読み直してもいいかも。

=>続き

私は信頼している。

 朝御飯を食べる暇を惜しんで作った弁当を、会社に持ち忘れてしまった。日曜日の晩、久々にまともな料理を作ったのに。煮豚舌、その煮汁でたいたジャガイモとこんにゃくとシメジ、ワカメとキュウリとトマトのサラダ、日の丸ご飯、キウイ。

 うちの部屋は、南西向きで、そりゃもう午後の日差しは強烈。夏のこの時期、最高気温は体温より高いの? きっと締切った室内は風呂に適温?

 でも、私は信頼している。自分の鼻と、舌と、それから胃袋を。弁当は晩御飯にたいらげた。美味しかった。

去年の俺様

Jul.26,2000 (Wed)

R・シルヴァーバーグ編『ミュータント傑作選』講談社文庫(1979)[8-/11]

<=前

_テリー・カー『オジマンディアス』

 盗賊たちは、常に新しい踊りを、正しいステップで躍りながら、≪不死の人≫が遺したドームへ向かっていた。ひとたび踊りの列が乱れれば、≪不死の人≫が怒り、音のない音やガスで、侵入者を殺すと考えていたからだ。ミュータント物であるかどうかは、あまり重要でない気がするが、独特の雰囲気が楽しめる。

_ロバート・シルヴァーバーグ『記憶の呪縛』

 トム・ナイルズは、生まれてからの記憶を全て留めておける人間だった。彼の脳は、いかなる忘却も許さないのだ。そのせいで彼は幼い日に故郷を飛び出し、放浪する生活を続けていた。編者シルヴァーバーグ自身の短篇だが【このアンソロジーに入っていることがネタバレになってないかい】? でも、過去の記憶を全て覚えているというのは、どういうイメージなんだろう。ビデオを撮りながら再生し、テレビを見ている感じ? 回想する(過去の記憶を呼び戻す)シーンが多く出てくるのだが、今一つイメージが掴めなかった(回想している今の自分も、当然新たな記憶として蓄積され……、そういうネタの漫画を見た記憶があると思ったら、二越としみ『地平球』(内容はモロ神林ネタ)だった)。でも、普通におセンチで良い。

_R・A・ラファティ『日のあたるジニー』

 傑作。二人の学者が、新しい論文について語り合っているところに、彼等の妻や子供が入れ替わり立ち代わり現われては、喋り、騒ぎ、去っていく。その繰り返し。一幕の舞台にしたら、ちょうどよさそうなテンポの良い短篇。この不気味なイメージと、おかしさの組み合わせがたまらない。

_ジェイムズ・ブリッシュ『分水界』

 遺伝子操作によって産み出された改造人間が、「植民評議会」の代表として、大気が薄い砂漠の星となった地球へ向かっていた。彼等を地球へ送り届ける宇宙船の乗組員は人間であり、艦長は乗組員の改造人間に対する反発が徐々に高まっているのを感じていた。艦長自身も、人間としてのプライドから、彼等に反発する気持ちを押さえられない。ちょっと説教臭いが、(その部分こそが『ミュータント傑作選』に収録される意味を形作っているのだが)、まあ、良い感じ。

 一番気に入ったのは、ラファティ『日のあたるジニー』か。ラファティについては林さんの秘密のラファティについてが詳しい。この短篇も早川SF文庫『九百人のお祖母さん』に収録されているようだ。池上永一と似た感触があるんですが、それは私の認識違い? 今更ながら、買わねばなるまい的に気に入った。

 それにしても、どれも特に外れなく、結構面白かったぞ。元々、気持ちの切り替えが上手くないので、短篇集は苦手、アンソロジーなんてもってのほかだったのだが、こりゃ認識を改めないと。

『タイム・トラベラー―時間SFコレクション』新潮文庫(1987)[1/13]

 というわけで、引き続きアンソロジーを攻めようシリーズ。こちらはu-kiさんのお薦めで、3冊100円で買って以来、2年ほど積読だったもの。

_ソムトウ・スチャリトクル『しばし天の祝福より遠ざかり……』

 ある日地球に宇宙人が現われて言った。地球人に永遠の命を授けよう、その代わり「今日」という一日を、これから7百万年繰り返してはくれまいか。それから、毎日、繰り返される同じ日、同じ行動、同じ過ち。意識だけがその繰り返しを逃れて、流れる時間のまま、何もすることもできずに、ただ見ている。神林長平「忙殺」でも似たようなシチュエーションがあったが、この馬鹿馬鹿しさ、このおセンチっぷりは、なかなかいいですな>u-kiさん。

去年の俺様

Jul.27,2000 (Thu)

『タイム・トラベラー―時間SFコレクション』新潮文庫(1987)[2/13]

_ロバート・シルヴァーバーグ『時間層の針』

 ミカルスンとジャニーヌの夫婦は、時間層転移が引き起こす不安に苛まれていた。時間旅行が一般的になった現代では、タイムパラドックスはよくあることだ。だが、その移層は、ジャニーヌの元夫ハンブルトンが、ミカルスンとジャニーヌの結婚を元からなかったことにしようとして起こるものだった。しかし時間犯罪を取り締まることは難しく、4度目の移層で、ついに二人は最初から出会わなかったことになってしまった。ちょっと、あちこちに違和感が。いいのか、これで。今一つ、時間旅行の仕組みと、タイムパラドックスの起こり具合がイメージし辛い。うーん。ラスト【てっきり、またミカルスンがハンブルトンの新しい妻に惚れて、歴史は繰り返すのかと思ってしまった。ハンブルトンは妻を美しくする金と才能(?)を持っていて、ミカルスンはその結果できあがった女性に惚れるようにできているのかも、とか。】でも、面白いから、いいか。

困った。

 bk1から開店日に注文した本が届かない。

 困った。本当に困った。こうならないように、計算したのに……。

困った。

 プログレスレポートが届かない。困った困った。マジで困った。

困った。

 今朝、会社へ向かう途中、駅の手前で財布を忘れたことに気づいた。部屋に取りに帰ればいいのだが、その部屋は今まさにゴキアースでゴキプリのガス室と化しているのだ!! 文無しなので電車に乗ることもできず、かといって部屋に入ることもできず、一体どうすれば!!

 結局ドアを開けてすぐにある台所と風呂場の換気扇を全開にして、10分ほど待ってから財布を取りに入りました。30分遅刻……。

去年の俺様
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