上司に友達に同僚にぶちまける。私は怒ると涙ぐんでしまう(流しはしないが、涙声になる)、これはどうにかならないだろうか。喋るに喋れないのはちょっと。えーん。
鬱憤がたまりにたまって、夜も目が冴えて、借りた『スターレッド』を読んでやっと寝つく。朝も怒りながらも、常に自分にそんなことを言う資格なんてないじゃないかと自己嫌悪が蓄積していた。自分も、他の人を苛つかせながら、もう本当に良くしてもらってきたのだ。結局恩も全く返せず、迷惑をかけるだけかけて、足で砂をかけるようなことをしてしまって、恥ずかしくて情けなくてどうしようもないのだけれども、そして、それが何の言い訳にならないのも承知の上で言うのだが、せめて一生懸命やっていたはずだ。ドツボにはまって、どうにもならない悪循環に、チョンボがチョンボを産み、ため息ばかりついて、身動きが取れず、泣くに泣けなかったけれども、だから言い訳にはならないけれども。だから私なんぞに言う資格などないんだろうけれども。
人を仕事を、舐めてはいけない。自戒も込めて。
宿題貯まりまくり。日記を更新しないときって、本当になにもしていいないので、読書が進む分、書かねばならない感想もたまりまくり、さらに再開しづらくなってしまうんだよなあ。
ものっすごい不義理(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい)をしつつ、上京してきた両親と横浜。雨で寒かった。ハマトリは父に不評。バッタもあがらず残念。
お昼は中華街でねってことで入ったのが、この店。人込みを避けて路地ばかり歩いていて見つけた。お粥が食べたかったのだ。小さな店だけれども、これが大当たり。青菜粥、卵粥(共に500円ほど)、海鮮団子粥(800円)、焼売、水餃子(500円くらい)、杏仁豆腐で3300円。あっさりしながらも、お出汁がばっちりきいていて、それぞれ個性のあるお粥がうまうま。焼売も水餃子も味がしっかりしていて、ジューシー。杏仁豆腐はイマイチでした。調べてみると結構名店のようだけれども、中華街って当たり外れが激しいので、覚えておきたい。上海蟹もいつか食べてみたいな。カエルとか鳩とかモツなんかもお勧めのようです。
でも、夜に食べた大崎ニューシティ藩の五目釜飯は焦げた鉄の味がして最悪。鯛飯も冷めていて、卵が乗っていて、池袋で食べたのはおいしかったはずなのに、全然別物。おまけについてくる茶碗蒸も目当てだったりするのに、売り切れだとか言って(大崎だから全然混んでいない! まだ19時だ)勝手に断りもなく小さな小さな卵豆腐に変えられちゃうし(それで茶碗蒸と値段が同じ? 詐欺じゃ)、お吸い物も薄味族関西人が音をあげる塩分ゼロ(マジで)の白湯。串焼きの椎茸(大好物)は冷めているし、店内にはダンボールが積みあがっているし、店員は無言で皿を置いていくし、二度と行くか!
しかし本当に大崎って何もないんですけど……。祝日だとなおさら。工場の人たち、何食べているんだろう?
建国以来500年、近代国家のはざまで平和に変わることのない暮らしを続けていた世界一の小国、偉大なる小鼠グランド・フェンウィック大公国に、建国以来はじめての経済危機が訪れた。アメリカに作ったワインの香りのチューイング・ガム工場が大当たりし、国家予算のおよそ100倍、100万ドルの収益をあげたと言うのだ。首相のマウントジョーイ伯爵は、この金を国庫に凍結することを主張するが、議会に受け入れられずに退陣。替わって首相に就任した反対党の党首ベンターが行った税金の軽減、国民への利益の配布は、案の定グランド・フェンウィックに危機的なインフレを巻き起こす。さらに翌年にはガム・マネーは一千万ドルに拡大し、使い道のない金にマウントジョーイとベンターは右往左往するしかない。金の運用を一任された大公女グロリアナ12世は、名案を思いついた。投機して、全部すってしまえばいいのよ!!
原書は1969年。
下手すると、これが一番面白いかも。『小鼠 ニューヨークを侵略』で「教科書に最適」と書いたけれども、こちらこそ経済学(?になるのかな?)の教科書にもってこいでは。金銭の価値、インフレの原因、投機、投資の危うさ、金融市場での駆け引き……私はこれらのことに全くくらい人間だけれども、分かりやすく楽しく書かれていて、読み応えがあった。それから、万年野党の党首が首相になったときの迷走ぶりもおかしい。日本でもあったなあ、こういうの。
相変わらず悪意のない(といって許されるものなのか、この場合は甚だ疑問(^^;)グランド・フェンウィックの人々に大国アメリカが引っ掻き回される姿がグー。グロリアナが行った投資はビギナーズ・ラックとなって、金が金を産み、ますますグランド・フェンウィックは苦境に立たされ、ついには世界中に大恐慌の危機が……という展開なのだが、それが滑稽で滑稽で。
しかし、今のタイミングって冗談にならんような。
グランド・フェンウィック大公国への石油の供給が削減されてしまった。国に2台だけある車は動かず、マウントジョーイ伯爵の愛するお風呂もぬるま湯になってしまう。アメリカやフランスへの抗議もなしのつぶてだったところに、マウントジョーイの元に紛れ込んできた間違い手紙─石油王へ、エネルギー危機の配慮を求める手紙だった。そこから世界の石油市場を揺さぶる大陰謀が始まった。
小鼠シリーズの最終巻。原書は1981年で、著者ウイバーリーは83年に68歳で亡くなったそうな。惜しい。前作とのブランクは原書で11年、翻訳で8年。そのせいか、訳者も清水政二から村上博基に変わり、前作とも雰囲気が多少異なるような気がする。刷りこみがあったかもしれないことを承知で言うが、清水の3冊に比べて今回は「くくく」っと笑えるところが少なかった。ユーモア小説の味が減じてしまったように思えて、これも惜しい。例えばグロリアナとフレディのくだりなど、その微笑ましさに笑い、マウントジョーイの狼狽ぶりに笑うところだと思うのに、そうできなかったのが残念。
ストーリーのほうも、それまでの善意の無茶から発展する雪達磨式の迷惑拡大的展開とは打って変わり、マウントジョーイの意図的な陰謀が軸となっているところがまた色が違うところなのかも。これまでの笑っちゃうようなお人よしの不運(?)が弱かったかなあ。少々パワーダウンした感はあったけれども、楽しかった。
しかし、コーキンツ博士って、本当にSFキャラだよなあ。この人がいるだけで、このシリーズはSFだと言えると思うよ! すごいよ、このおじさん。報われないけれども……。
これで小鼠もおしまい。ああ、もっと楽しませて欲しかった。グランド・フェンウィック大公国がこの先どうなっていくのか(本当に)全然わからないのだけれども、偉大なる小鼠よ、永遠なれ!! いつまでもこの本が人々に読みつがれますように……って売ってないってばよ! ああ、これが埋もれてしまうのは惜し過ぎる! とりあえず復刊ドットコム。やりすぎって? でも交渉ボーダー上げるって言う話だしなあ。さあ、今すぐ図書館に走れ!!
清水玲子『22XX』、小林泰三『玩具修理者』、映画『魔王』、『クラゲ』、あと色々あったような気がするけれども既に忘却の彼方。ああ。
短篇「玩具修理者」、中篇「酔歩する男」収録。
『ΑΩ』を読んだ時に、登場人物が会話する場面になると途端に読む気が萎えてしまうと書いたが、今回は2本とも告白物なので、会話が多い。相変わらず会話や言葉、やり取りの不自然さには強烈に萎え萎え(シチュエーション自体が不自然なものではあるが、あんな風に喋るか?)。しかも萎えっぱなしの状態がずーっと続くわけだ。にもかかわらず、引きずられるように一気読みしてしまった。
一気読みするくらいなのだから、面白かったのは事実。グロテスク描写はかなり苦手なので、「玩具修理者」には閉口した(くらい良かった、のだろう)。「酔歩する男」は、一瞬以前読んだ某海外短篇とダブって見えたけど、後読み、文章の差(某短篇はガツンと来る文章だった)を引かずとも、こっちの方が面白かった。ううむ、SF。傑作。もっと読みたいかも。
でも、好きか嫌いかと言われれば、「好きじゃない」になってしまうのは、やっぱり文章が合わないせいだと思う……。どうにも不自然な台詞がたまらなく嫌だ。これがデビュー作で、最近作もこんな文章なんだから、既に「個性」とかいうレベルなのかもしれないが、どうにもこうにも合わないものは合わない。どうにかならんものか。
おおたさんに借りる。
そんなに目新しくないテーマをそのまんま剥き出しで持ってこられているのが難だけど、異文化、違う価値観との邂逅に「おえっ」とさせてしまうインパクトを与えられるんだから、傑作じゃないかと思うです。はい。後味が悪いのは悲劇物だから当たり前で、むしろそう思わせるのは、作者にとっては成功でしょう。
と思っていたら、問題はそこではないそうで、【別に空腹を満たすために食べたいと言っているわけじゃないっしょ、ラストの台詞。だから、食欲の有無には全く関係なく、純粋に気持ちの問題では。彼女が望んでいたのに食べてあげられなかった後悔の前に、たとえ食べたとしても彼女の望みは叶えられなかったのだという厳然たる事実。それでもなお、あの時それを食べるべきだったのだと思いつづけるのは愛ですわよ。いや、彼に恋愛感情があったかどうかは全く関係なく、純粋に相手を思いやる気持ちという意味で。彼のせいであんなことをせざるをえなかった彼女の思いを満たせなかった、これからも決して満たすことができないからこその苦脳であって、食物のサイクルがどうのというのから離れたところでイイのではないでしょうか。後悔先に立たず。】
しかし、こう書いてみると、私的萌えシチュエーションですわ。ほほほほ。
最近読んだ物だし、非常に分かりやすい例として持ってきますが、乙一「Calling you」(『きみにしか聞こえない』収録)のラストと比べてみると対極だと思うんだけど。【「Calling you」ネタバレ命をかけて自分を守ってくれた人間を、救える機会がいくらでもあった(これからある)にもかかわらず、何もせず、何の痛みも苦悩も悲しみも見せないユミ】この主人公に関しては、脳内キャンセラーが起動して、なかったことにしてしまうくらい全くわけがわからず、理解不能の共感度0で、ひどい後味だったけど、ジャックには共感できるぞってことです。私が萌えたのは、そういうところです。愛だよ、愛〜。