ざぼんの皮 2001年 07月


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Jul.21,2001 (Sat)

-0.8kg
餃子に負け、タイ料理を食う

 夕方から中国茶。ココナッツ豆腐は至福の味がした。マスカットの香りのお茶は、本当にマスカット臭くて、まるでフレーバーティだった。

 その後、本日の目的地大崎の中華料理屋・美〓[=王其](みき)に向かう。またあの餃子を食うのだと意気込むが、……閉まっている。店の明かりはついているのに、入り口の階段が裏返しになった看板でふさがれているのだ。壁に「日曜定休、11時〜23時」と書かれている。土曜日の19時半は営業中のはずなのに。

 仕方がないので、入り口の前から店に電話をしてみると、「客が来ないから店を閉めてしまった。板前も帰ってしまった。土曜日は予約がないと開けない」とか。とりあえず、この場は諦め。うわー、しかし三日連続で店に振られるとは、『電話がなっている』入手で未来の運まで使い果たしたか。

 それにしても、この店、早めにもう一度行かないと、後悔することになりそうだ。餃子、無茶苦茶おいしいのに!! 大崎へお立ちよりの際は、是非是非試してください。本当においしいんだって。

 仕方なく、結構有名な近所のタイ料理屋に鞍替え。ガイドブックには東京一辛いと書かれていたので、オーダーは全て辛さ控えめで頼んだ。そのせいか辛さはたいしたことがなかったが、とにかくカレーがしょっぱくて閉口した。それなりに旨かったんだけど、塩の味のスープという感じ。春巻きとトムヤムクンは適度な辛さでおいしかった。ちなみにちょうど今日TBS『チューボーですよ!』のタイ風チャーハンで取り上げられていたみたいだけど、それは食べ損ねた。

北野勇作の近況

 だいぶ前にあずけていた長編の原稿がようやくなんとかなりそう(5/22)とか、新作長編『ザリガニマン』なんとか脱稿(6/26)とか、嬉しい情報が。

 とりあえず、8/10に放送されるラジオドラマ『MBSドラマの風』に期待大。でも、大阪ローカルなので、実家に頼んで録音してもらうしかないなあ……。ちょっと不安。しかもオーディオドラマ(ラジオドラマ)の世界によると、時間が不定みたいだし。

 『昔、火星のあった場所』解読bk1/amazon.co.jp】については、今日も皆さん、「まだまだ!」と叫びながらタイ料理屋のテーブルを拳でがんがん叩く熱の入れ様でありました。まだまだ!

 それにしても40日間ドイツ旅行(6/28)……。素敵だ。

去年の俺様

Jul.24,2001 (Tue)

ナイナイの神様……(号泣)

 昨夜、ふと、とんでもないもの(あまりに悲しいので内緒だ)を無くしてしまった事に気付いて、愕然となる。というか、半月前に受け取った時点から、完全にそのものの存在が意識から抜け落ちてしまっていて、何も思い出せない。2時半まで半狂乱で探したのだが見つからない。だいたいうちにそういうものがありそうな場所など限られているのだ。……捨ててしまったのかも……。それくらい忘れていたんだってば(予定は記憶にとどめているのに、物の存在を)。失念とはこういうことを言うのか。いやもう本当に。

 非常に情けない気分になりながら就寝し、案の定パソコンの脇で発見する夢を見る。夢だったけれども。朝も足の小指を蚊にかまれて寝不足。

 まだ1ヶ月半あるので、一生懸命探すよ。

熱風

 今は週に2回、余所の会社に行って作業しているのだが、その場所と言うのがクーラーのない部屋。正確に言うとあるのだが、もう何年間も故障しっぱなしらしい。しかたがないので、首都高に面した窓を開け放ち、小さな扇風機を回しながら、1時間交代でコピー機に張り付く。コピー機のカバーを下ろすことなく、500枚/1hのペースでコピーするため、「複写熱」も相当なものだ。廊下側の入り口も開け放って風を通しているわけだが、その分カバーやスリップや帯や伝票やパラフィンが飛ばないように気を使わなければ行けなかったり、はっきり言って作業環境は最悪。

 確かに猛烈に古いビルなのだが、人の出入りの多い大企業である。廊下に一歩出ればふうっとクーラーの涼しい風が感じられるし、隣の部屋ではその会社の人たちが涼しい顔して会議をしているし、当然オフィスは快適な涼しさだ。自社の人間が使わない部屋だから修理していないのだろうと推測するのは僻みだろうか。そのうち倒れるぞ。全く、基本的人権を侵害されている気がする。まあ、それはいいよ、慣れたから。クーラーなんてなくても、なんとかなるものだ。むしろ冷房に弱い私には好都合なのかもしれない、と言って自分を納得させるしかないからね。

 1時間コピーの後は、1時間机で転記作業を行う。ちょうどその背後に窓があるのだが、1時間に何度か、明らかに外気よりも5度は高い熱風が数秒間吹き込むのが非常に不快だった。作業場所は6階にあって、大通りと首都高をはさんだ向い側のビルは遥かに遠い。でも、これは……どこかのクーラーの室外機から排出される風だとしか思えない。風の具合で、時折こちらに吹き込むのだろう。たまーーーーーーに、熱風の下(いや本当に「下」)に冷気が紛れ込むことからしても、多分。

 夕方、ぱらぱらと雨が少しだけ降ったようだ。でも、この部屋で台風が来たらどうするの? 雨が吹き込むから窓はあけられないし、でも閉めるとまさしくサウナ以外の何物でもないんだけど。どうするの? ああ、考えただけで恐ろしい。

 一応、お願いはしたんだけれども、無理なんだろうなあ……。会社全体のクーラーが壊れているのなら文句言わないけどさ。だって、どう見てもこれ、セントラル方式なんだよ。納得できないよ……。死ぬ。あと、時計も壊れたままなのどうにかならんかほんまにもうくそ。

A&B.ストルガツキイ『世界終末十億年前─異常な状況で発見された手記』群像社(1989)【bk1/amazon.co.jp

 ソルジェニーツィン『収容所群島』を読み始めたこともあり、今年の夏はソビエトに萌えるぜ!ってことで、でもソ連と言うとストルガツキイしか思いつかないのだった。

 ストルガツキイと言えば、以前『ストーカー』【bk1/amazon.co.jp】を読んで、映画もビデオを借りてきて見て(寝て)、『願望機』【bk1/amazon.co.jp】も買ったはずなのだが、本棚を見てまず目に付いた『波が風を消す』【bk1/amazon.co.jp】を引っつかんだ日曜日。

 ところが、フレッシュネスバーガーで解説を読むと、なんとこの本、三部作の完結編じゃんっ(T-T)。以前もこういう経験をしたから、未読のまま放っておいたんだった、そう言えば忘れていたけれども。当然『収容所惑星』【bk1/amazon.co.jp】も『蟻塚の中のかぶと虫』【bk1/amazon.co.jp】も持っていないし、でも、気分はストルガツキイ。かと言って、三部作の完結編をまず読む気にはならない。ビジョルドもマイルズ・シリーズ2作目の『ヴォル・ゲーム』bk1/amazon.co.jp】を先に読んじゃって後悔したし、ましてストルガツキイなのだ。一応古本屋を周ってないのを確かめた後、図書館に行って『収容所』以下を予約して、所蔵していた『世界終末十億年前』を借りたのだった。表紙猫だし。

 画期的な科学的なアイディアを思いついた天体物理学者マリャーノフの周辺で、突然おかしなことが起こり始める。滅多に手に入らない高級食材が大量に送りつけられたり、妻の友人だと言う美人が突然尋ねて来たりして、とにかく仕事が手につかない。さらには隣人をピストル自殺したかのように見せかけて殺したとして、罪人のように詰問されたりと、マリャーノフは大混乱に陥る。ところが、身近な研究者たちも、それぞれ何らかのプレッシャーを受けているらしい。「人類にとって画期的な発見」を妨げようとする何物かの存在がちらつき始めるのだが……。

 ……デンパ系? 集団デンパという感じの粗筋なのだが、『ストーカー』と同じく、何物か、人類には理解できない/接触できない存在から発せられる強烈な臭いの印象が、重ったるく全体に漂っていて、とても「デンパ」では片付けられないのだった。いや、「デンパ」ってどういうものかよくわかっていないんだけれども。ゲル状の厚い膜の上から、ものすごく大きくて不気味なものに振れるような感覚が、ぞくぞくしてたまりません。宇宙がこんな風に崩壊する(かもしれない)のも、物凄く素敵だ。その癖、どうしようもなくやることがせこいのもいい。こういう不可視の存在のリアリティや重さを、登場人物の心の動きで描かれると、萌えるんだけどなあ。さらに、勝ち目のない存在に対する、絶望的な、まさしく人間の尊厳をかけた静かな挑戦もいい。敗北し、うなだれながらも、道を失うまいとする、したたかで悲しい決断もいい。

 それにしても、ソビエトなのに舞台がいかにも蒸し暑そうな夏だったのも意外だった。涼しいかと思ったのに<大間違い。

=>つづく

土屋道雄『例解 誤字辞典』柏書房2,000円【bk1/amazon.co.jp

永井荷風、志賀直哉、三島由紀夫…。文豪も誤字に気がつかない。小説、新聞、雑誌から誤字事例を採集し、正しい用法を解説。読んで楽しい他人のミス。曖昧な記憶を反省し、先達の轍をを踏まぬようにしたいもの。

小坂井澄『評伝 佐々木邦―ユーモア作家の元祖ここにあり』テーミス2,381円【bk1/amazon.co.jp

日本の大衆文学に「明朗小説」の分野を拓いた佐々木邦は、クリスチャンであり、反戦思想から第二次大戦中は筆を折っていた。唯一の評伝。

南条竹則『猫城』東京書籍1,500円【bk1/amazon.co.jp

猫どもの企みにより、猫語"ニャンスクリット"で記された秘伝の巻物を翻訳する詩人。鍋島の猫姫の輿入れの儀に備える。しかしそれを阻む、魚の化け物"アラダマ"との壮絶な戦いが…。はたして「猫城」は建立されるのか?奇才の書下し幻想怪異小説。

去年の俺様

Jul.25,2001 (Wed)

-1.0kg
『N・M・D・C―森永奈緒美写真集』ぶんか社3,500円【bk1/amazon.co.jp

 奥付は2001年8月。

「宇宙刑事シャイダー」のヒロイン森永奈緒美。二度と手に入らない秘蔵のディレクターズ・カット版。
 今日の午前中社内で作業をしていて、帯のこの文句に、今更『シャイダー』かよ、大変だなあ、と思っただけなのだが、なんとシャイダー役の円谷浩氏の訃報が。シンクロニティ? ご冥福をお祈りします。

姫野由宇『スケアクロウ―自動鳥獣撃退装置・狂騒記』宝島社1,500円【bk1/amazon.co.jp

宅地化が進む都市近郊農村地帯で起きた、野鳥退治の新兵器をめぐる大騒動。天災か人災か? 人間のエゴイズムと環境破壊をブラックユーモアたっぷりに描く。鳥影社2000年刊「自動鳥獣撃退装置」に2章を加え全面改訂。
 鳥影社版【bk1/amazon.co.jp】も生きているのか? ちなみに値段は旧版のほうが100円安い。

向井豊昭『DOVADOVA(ドバドバ)』四谷ラウンド1,400円【bk1/amazon.co.jp

人生のカケラへの郷愁を、おかしみに満ちた夢想へと流し込む、主人公犬尻昭男の一大うんこ史。記憶の底から澎湃と湧きおこり、跡形もなく消え去る犬尻の生涯にユートピアはあったのか。
 63歳デビュー作『BARABARA』【bk1/amazon.co.jp朝日新聞の書評

藤野幸雄編訳『世界児童・青少年文学情報大事典』勉誠出版

各16,000円

1巻(ア〜ウィ)【bk1/amazon.co.jp】2巻(ウェ〜オ)【bk1/amazon.co.jp】3巻(カ〜クラ)【bk1/amazon.co.jp】4巻(クリ〜コ)【bk1/amazon.co.jp

本事典はアメリカのゲール・リサーチ出版の児童文学に関する事典『作者についての情報』およびこれをもとに編纂した『児童・ヤングアダルト主要作家=挿絵画家事典』さらに、古典作家の何人かについては『過去の作家たち』の項目のなかから、わが国の読者に知られている作家および挿絵画家を選んで、翻訳・編集したものである。項目選沢の基準は、日本語で作品が紹介されており、さらに各種の賞を受賞している作家=画家が取り上げられている。採録される児童文学の範囲は、絵本や創作童話、民話から動物物語、ヤングアダルト小説、スポーツ小説、推理小説、冒険小説、ファンタジー、SF、歴史小説、ナンセンス小説、児童詩、児童劇、動物記、ノンフィクション、伝記などを幅広く網羅している。

 ……で、全何巻なんだろう……(^^;。ア〜オで20%とすると、10巻くらい?

藤野幸雄『図書館へのこだわり』勉誠新書700円【bk1/amazon.co.jp

図書館に勤め、図書館学を教えて五〇年。古稀を迎えた著者の自分史である。波乱に富んだ戦後の時代の真っただ中で、図書館のありようを見つめ続け、その中で生き、将来に希望を託してきた著者の、ひたむきな情熱とその体験は、字義どおり図書館の歴史を物語る。海外での見聞では、民族の苦悩や悲哀、その努力の姿に暖かいまなざしが注がれる。人生を少しは長く味わった一人の「経験主義者」の独り言だと謙遜するが、ここには傾聴すべき豊かで見事な人生の記録が横溢している。
 ちょっとあとがきが悲しかった。

 藤野先生には、他に『世界作家事典』1巻(ミステリ・冒険・スパイ)【bk1】、『世界探検家事典』1巻(古代〜18世紀) 【bk1/amazon.co.jp】2巻(19・29世紀)【bk1/amazon.co.jp】なんてのもある。

去年の俺様

Jul.26,2001 (Thu)

-2.0kg
図書館を使おう

 なんでネット古本屋はあるのにネット貸本屋ってないのかなあとか、現に存在しないし、これからも実現しなさそう(むしろオンデマンドが実現すればね)なことを考える前に、本当に読みたいのなら、どーして図書館で借りないんだろうと思うんですが。とか、冗談(ですよね)に真面目につっこんでみたり。

 たかだか10年前の本だし、読みたければ、貸し出し中や未所蔵で(両方ともありそうにないが)予約か相互貸借(自館にない本を他館から貸し出してもらうこと。どこでもやっている)で余程待たされたとしても、一週間で手元に届くはず(会社の近所の図書館では『収容所惑星』は文庫(86)はなくハードカバー(78)のみだったが)。

 確かに『波が風を消す』はネット古書店でもあまり見かけないようで(むしろ前の2作の方が出まわっているらしい。シリーズ物の宿命か)、それだと入手はいつになるのかわからなさそう。でも、図書館なら一週間で手に入るんですよ。読みたいのに、そうしない方が余程「なんで?」でありまするよ、いやマジで、毎度。読みたけりゃ、どんな手でも講じるでしょう(私の場合、所有することは目的ではなく、読むことが目的だから)。つーか、私ならそうするんだけど(複数ブロック、複数県の図書館にアタックするとか)。まして、一歩さんは図書館を充分に利用できる場所にお住まい(通学)のはず。「使いたくない」という何らかの理由なりお気持ちがあるのだとは思いますが、それを「読みたい」が上回らない程度なら、所有していても積読になりませんか? 素朴な疑問というか、私にはよくわからないのです。うーん、未読の本に対する所有欲がないからなあ(^^;。

 というわけで、私は既に日曜日に図書館で取り寄せ手続きをし、火曜日に連絡があり、水曜日に借りた『収容所惑星』『蟻塚の中のかぶと虫』を読み始めております。ので、交換貸しは却下(笑)。近所ならともかく(帰省時にお会いできるならお渡ししますが)、図書館で借りた方が余程早く手に入るし、第一お金がかからないし、当たり前だと思うので。

 尤も、読み終わって、私が持っているよりも他の読みたがっている方に読まれるほうがいいと思ったら、喜んでお譲りします。でも、本当に三部作を最後まで読むのが、いつになるのかは不明なので、それまでしばらくお待ち下さいませ(^^)。……やっぱり未読の本を持っているだけ(積読)ってのは無駄だし、罪だとつくづく思います。私が読まずに部屋に放ってある間、一歩さんのような探している人が読めずにいるわけだから。申し訳ない。今すぐ読める本だけを買って、再読したい本だけを所蔵していればいいんだけどなあ。

=>つづく

CUBIC

うっちーさんのところから、CUBIC

あなたの性格・パーソナリティ
性格の側面 普通 指数
 思索型    内閉性 : 社交意識が低い    **   78
  客観性 : 思考的思慮深い   **   77
 活動型    身体性 : 機敏な・気軽な    *        31
  気分性 : 感情のまま行動   ***     56
 努力型    持続性 : 几帳面・忍耐力    *         20
  規則性 : 常識的・順法的   **      55
 積極型    競争性 : 勝気な・積極的    *      48
  自尊心 : 気ぐらいが高い   **    66
 自制型    慎重性 : 見通しをつける    *      47
  弱気さ : 取越苦労・遠慮   *      46
●あなたのパーソナリティスケッチ●

自分の世界を大事にしていて、外界のことには興味がうすい人です。広く浅い交友関係よりも、考え方や価値観の合うごく限られた友人との付き合いを大切にし、深いつきあいを形成しています。審美的で、自分の信じる価値観のなかで生活しているといえます。また、自分も含め、環境をあるがままに客観的にとらえようとする傾向が強く、物事をキチンと把握しています。あまり人情的にのめりこまないため、冷たい印象も与えることもありますが、自分自身について深く内省していて、豊かな内面性の持ち主です。

沖縄

 うわ、今日の『Kissだけじゃイヤッ!』(YTV)沖縄編、激オモロ。しまった、ビデオ取っとくんだった〜<なんだそれ。いやしかし、あの椅子は辛かろう。まるでつるし上げ。

去年の俺様

Jul.28,2001 (Sat)

図書館話

 ネット貸し本屋(有里さん)

 図書館を利用しない人から、一番よく聞く言葉が「面倒」のような気がする。面倒の種類、状況は人によってそれぞれなんだろうけれども、その「面倒」というハードルを、越えられない程度の欲求しか、その本に対して持ち合わせていないのなら、それはもう仕方がないんではないかなあ。そもそも自治体に図書館が存在しないとか、車で1時間もかかるとか、全く勤務時間と開館時間が合わないとか、物理的に利用しづらい場合もあるだろうけれども。

 というか、図書館を利用しない人の理由(本が新品でない/貸出期間がある/返却しなくてはいけない/本に書き込みできない/行くのが面倒(少なくとも貸出と返却の2回出向かなくてはいけない))は、図書館の資料が市民の共有財産である以上、当たり前も当たり前でありましょう。こういうことを「理由」として挙げられる方は、図書館を利用できない/しないでもいいのだと思います(してくれるな、ということではなくて、しなくても幸せなのだろうという意味の「いい」)。古本屋を、新品じゃないからイヤというのと同じで、なんというか、構造的に絶対に利用するのは無理という気が。

 いや、えーっと、別に有里さんに図書館を利用していただきたいとか、図書館を肯定的に受け入れてもらいたいとか思っているわけでは全くないし、だいたいそう思わなきゃならない理由も、そんなことを思う権利も私にはないのですが、割とこう、何といいますか、私が勝手に脱力してしまったのでした。どだいしゃあないじゃないですか、という感じ。

 そもそも公共図書館については、「無料の原則」というものが存在しまして、私ももう記憶が退化してきて正確に意義とかを思い出せないので、googleで「無料 図書館 原則」。日本図書館協会の公立図書館の無料原則についての見解あたりが、わかりやすいかも。ファイル名からすると、98年9月なのかな(会議は同年3月)。

 このクソ暑い中、リクエストをするためだけに図書館に出向かなきゃならないの、すっごく面倒。というのも、別にリクエストしてタッチアンドゴーするから「すっごく面倒」なのであって、書架をぶらぶら見たり、涼しいところで雑誌や本を読んだりすれば、「だけ」ってことにはならないので、楽しいのですよ、うん。返却が面倒くさいってのも、次の本を借りに行くついでに返却すれば、出向く回数は1回ですみます。当たり前ですが。図書館に行こうと、本屋に行こうと、行く道が暑いのは変わりないし。

=>つづく

ダイエットをするということ

 上の話の間に書きかけたんですが、中に入れこむには、あまりにずれすぎなので、別の話として。

 痩せたいなーと言う人に、「じゃあ、ダイエットすれば? 規則正しい食事と、運動。それさえすれば、痩せられるよ」と答えて、「面倒」と言われるような。多分、実行するためのモチベーションが足りない内は、「痩せなくてもいい」んだと思う。その人にとって、まだその時点では、痩せることは必要ではないということ。精神的にも、物理的にも。本人がやる気にならなきゃ、周りがどう言おうと、関係ないんですな。というのは、過去の自分に対して思うこと。

 私はそもそも運動というやつが大嫌いで、スポーツの何が楽しいのか、なぜわざわざ疲れるような事をしたがるのか、全く理解できなかった。でも、ダイエットを始めて、歩いたり、水泳したり、転がってみたりするうちに、純粋に身体を動かすことそのものが「よろこび」なのだと、やっと気付いた。試合があるスポーツは、ゲーム性に楽しみがあるのだと思っていたけれども、それだけじゃないんだな。なんてことを、『800』bk1】をオールタイムベストに上げる奴が言っていいのかという感じ。いやあ、馬鹿だよな、私って。今は「夏休み早朝ラジオ体操」の立て看板にだって、心がときめく。思いっきりラジオ体操をするのや、準備運動をするのも、ものすごく気持ちいいから。

 そういうことを、大学の友達U(元バレーボール部員。腹筋の師匠)に話したのだった。時間が自由に使えて、何でもできたはずの児童/生徒/学生時代に、これに気がつかなかったのが惜しくて仕方がない。ああ、悔しいと。Uは、「いくら誘っても駄目だったからねえ」と笑っていたけれども、全くその通り。当時は「痩せたい〜」と言っておったが、第一面倒だと思っていたし、照れくさかったし、運動するなんて格好悪いと思っていた。楽に痩せられる方法はないかな〜などと、「豊年1週間ダイエット」(クッキーとスープがセットになっていて、3食のうち1食をそれに切り替えるというもの。早朝バイトをやっていたので、安さ(1セット1500円くらい)と気楽さもあって使った事もあるが、お腹は空くし、効果はない)なんぞをだらだらしていただけだった。やっぱり本人の気持ちの問題なのだと思う。やろうと思わない限りは、やったって仕方がないのだ。

 ダイエットをする、のは確かに面倒なのだと思うのだが、私はダイエットもしたいと思うし、それは目標ではあるけれども、そのために決められたメニューの料理を作ったり、身体を動かしたりすることそのものを楽しいと思っているから、やっているのだ。ダイエットを始めて良かったと思うのは、そういうことが楽しいと思えるようになったこと、意識が変えられたことだ。

 ダイエット始めて良かったよ、本当に。体重の減りは11ヶ月で4キロだけど。まあ、これで充分か。

テッド・チャン「あなたの人生の物語」(「SFマガジン」2001年9月号)

 野尻さんが大絶賛していて、しかも「ロシアSF小特集」だったりするので、図書券も余っていたし、なんとなく買ってしまった。で、寝不足が溜まりきっているのに、結局2時くらいまで「SFマガジン」ばかり読んでしまった。珍しすぎ。

 で、一番最初に読んだのが、これ。うん、確かに非常に綺麗だ。異性人とのファーストコンタクトに取り組む言語学者が、彼らの文字を研究するうちに……というお話。おお!とも思ったのだが、自分でも不可解なくらい、情動が起こらない。強烈なセンスオブワンダーには心が追いつかない感じなのだが、切なさ、おセンチすら発生せず。ここの所、そういう触覚が磨耗しているので、タイミングのせいかも。……でも、そもそも私、こういうネタ(ファーストコンタクトじゃなくて、オチの方)そのものに対する不信感があって、それがあると引いちゃうのかも。某90年代の超有名作品(作品名を出すと双方のネタバレになるのでコメントアウト=>))も、引いちゃったもんなあ。

 ああ、絶好調の時に読みたかった。

神林長平「膚の下(第8回)」(「SFマガジン」2001年9月号)

 いきなり第8回だよ(泣)。初回を本屋で立ち読みしかけて、ときめきを感じたものの、ここは我慢……したはずなのに、止められなくて。

 高校時代からの刷り込みの影響が大きいのだろうけれども、神林長平の文章って本当に肌に合うんだよなあ。文字列を見るだけで、脳味噌が快感物質を放出してしまう。もう条件反射の域に達してしまっているので、どうしようもない。以前イーガン「貸金庫」(短篇集『祈りの海』【bk1/amazon.co.jp】収録)の冒頭で同じように感じたことがあって、訳者の山岸さん自身も「神林に似ている」とおっしゃっていたんだけど、一体何に反応しているんだか。

 幸い、特に話は展開しない回で、神林長平らしい余計に無駄なところ(小説的に上手くはない)……なのかもしれないとちらりと思ったり。ああ、しかし、私は『あなたの魂に安らぎあれ』【bk1/amazon.co.jp】はそれなりに好きだけれども神林長平の長編ではないと思っていて(語弊があるな)、『帝王の殻』【bk1/amazon.co.jp】はあまり好きではなくなって以降の神林長平なんだけれども、見たことがあるようなガジェット、人物が出てくるとぐっと来るよう。

 うーん、これはまとまる前に読んでしまったほうが得かもしれない、とか。色々な意味で。

『戦闘妖精・雪風』アニメ化情報

 で、これだ。『雪風』【bk1/amazon.co.jp】がアニメ化するという話は2chでも話題になっていたけれども、メディアミックスに対して不信感がある私は、どちらかというとやってもらいたくなかったという感じ。

 案の定、多田由美のキャラデザも、零の前髪が鬱陶しくて鬱陶しくて鬱陶しくて鬱陶しくて、我慢できなかったので、自分が散髪に行ってしまったよ、まったくもう。邪魔じゃないのか、これ。じゃりん子チエちゃんみたいに、前髪を上げて乗るのかもしれないけれども、この前髪で根暗な男ってイヤだ。前髪を切ってくれ、頼むから。露出度が異常に高い女医もなんだかなーと思ったんだけれども、5巻で『グッドラック』【bk1/amazon.co.jp】まで行くってことなのだろうか。

 でも、動きが良ければ多分それでいいや。

藤田雅矢「ぬへこ」(「SFマガジン」2001年9月号)

 ファンタジー、なのかな。

 というわけで、ストルガツキーはまだ読んでいない。

去年の俺様

Jul.31,2001 (Tue)

映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』

=>オフィシャルサイト

 ソビエトがマイブームということで、ほとんど予備知識のない状態で、見に行ってしまった。だから、入り口で「クー」してません。銅鐸ステッカーがもらえたらしいのだが。

 無茶苦茶丁寧な映画だった。物凄く適当っぽい見てくれに騙されていると、時折現れる物凄く切れ味の良い台詞、音楽、セット、ギャグ、テンポに心臓が止まるくらい驚かされる。これって天然なのかなあと思っていたら、実は計算し尽くしたツクリモノだったりして、深い深い。

 映像も、ちゃちいようで、ちゃちくない。私が見たことのあるソビエト映画って、『ストーカー』しかないので(あれ、ゾーンが白黒だしなあ)、よくわらからないんだけど、ソビエト映画の特撮って、みんなああいうものなのだろうか。日本のちゃちいドラマのセットにありがちな、妙にテラテラピカピカした作りもの臭さ、重量感のなさが全くないのだ。妙ちくりんな宇宙船(発掘された銅鐸みたい)や、砂漠の真中の給油所(便所か車庫か)、変な水槽、手漕ぎポンプばかりがある広間……。もともと多分本当に使われていた何かを改造して利用しているに違いない(ソビエトの人が見ても、異世界として受け入れられるんだろうな)、ボロさと汚さが全編に溢れている。衣装はそれほどエキゾチックではないのだが、やはり暑そうな砂漠にあって、異常な厚着っぷりと汚れっぷりが、本当に臭ってきそうな非現実感を演出してくれる。

 地球人の二人、技師のマシコフと学生のゲデバンが迷い込んだキン・ザ・ザ星雲のプリュク星は、そういったばっちくてきちゃないものに溢れかえっていて、ソビエト映画的にこれが普通なんじゃなかろうかと思いたくなるくらい。きれいはきたない、きたないはきれい? でも、その小道具の一つ一つが、実はギャップを感じさせ、笑いを取るために敷き詰められた伏線なのだと思う。そうでないと、こぎれいでインテリっぽいマシコフが、ツァークを付けろと言われて顔をしかめる場面で、あんなに笑えない。尤も、一番そのギャップが効果的なのはα星(関係ないが、超美人のねえちゃんにびっくり。薄絹がとってもえっちくさい)。風刺なんて可愛いものじゃない、爆発的に強烈な皮肉に、開いた口がふさがらなかった。全くこれは嫌じゃない。むしろお見事!と喝采を叫びたいくらい。

 登場人物は、みんな業突く張りで自分勝手で、間抜けばかり。へまに続くへまで、簡単だったはずの地球帰還も結局おじゃん。なんだけれども、変なところで人情に篤くて、義理堅く、人間味に溢れているんだなあ。異性人なのに、酷い目に会わされているのに、殺されかけたりしても、罪悪感には弱いのか。簡単に地球に帰るチャンスを棒に振ってまで、自分が陥れた(<をい)人を助けようとする姿には、泣けて来るんだが、繰り返しにちょっとだれた。でも、「女房は……」「表層を読め!」の絶妙なタイミング、ギャグの切れ味、さりげないおセンチ演出には感動。意地悪で欲張りな異性人も、表情が豊かで、笑わせ、泣かせてくれる。いいキャラだよ、本当に。この丁寧さ、愛の1%でも『メトロポリス』にあればなあ……。

 そして、「クー」。帰り道、救急車を見かけたときに、本当に「クー」が思い浮かんだほど、強烈なインパクトだった。でも、これ、ここに出て来る役者さんは、何をどう思って演じていたんだろう……。特に、水槽で遊ぶ二人のおっさん(PJ様?)。中年のデブ親父が、睫毛の長いパッチリお目目で見上げる姿がツボでした。皆堂に入った演技で、素晴らしいし、確かにいい脚本、いい映画だとは思うんだが。

 何もかも過剰なのだ。過剰に、良すぎる。作り込みの細やかさ、役者やセットの本気度、特撮の決まり方等々。とてもいい映画だし、とてもいい脚本だと思うのだ、本当に。吹き出しちゃうところあり、しんみりするところありで、感動するところも用意されている。でも、ネタ自体は1発モノで、それこそコントのようなネタなのだ。ジャンクフードに超高級松坂牛霜降りパテ(ちょっと脂っこくて、料理に合わない)を使い、100年物のワイン(……酒の事はよくわからないのだが、適当なたとえが見つからん)でどうぞという心意気。ソビエトの映画って、こういうものだったのだろうか。贅沢で素敵だなあ。

 上映前のCMで流れた『チェブラーシカ』超ラブリー! 見るべさ!

図書館話

*参照
 ざぼんの皮=>26日/28日
 掲示板=>有里さん うーん、なんか誤解があるような 2001年07月29日(日)11時02分48秒/ヒラマド 図書館とか 2001年07月30日(月)01時07分09秒
 有里さんの日記=>◆[book] 図書館話

 私が26日分で、焦点をぼかして誤魔化して書いたり、冗談(ですよね)に真面目につっこんでみたりとか、スタンスをはっきりできず、誤解を与えるような書き方になってしまいました。すみません。

 ただ、有里さんが上げた、一般論図書館を利用しない人の理由(本が新品でない/貸出期間がある/返却しなくてはいけない/本に書き込みできない/行くのが面倒(少なくとも貸出と返却の2回出向かなくてはいけない))(えーっと、この部分は一般論だと思っておりました。それは掲示板でも書いたとおり)というのは、相当極端で、身も蓋もないものだと思うのですよ。私自身が図書館ずっぽりの経歴(だけはね)を抱えた人間だからそう思うだけなのか、いわゆる図書館を使わない人(本、読書に全く興味がなく、本当に図書館など眼中にない人は除く)の「一般論」って、こんなに狭量なものなのでしょうか? ぜーーーーーーーーーーーったいに、図書館とは相容れない集合ですよね、これ。そもそも、こういう考え方の人(全部が該当する人、というのは想定されていないと思うのですが、一部でも)の読書の枠は、無茶苦茶狭くならざるを得ないように見えるし、恐らくちょっと積極的に読書の世界に入りこんでしまえば、そんな枠は取り払わざるを得なくなると思うし(それが図書館に行くかどうかは別にして)。だから、有里さんの意見とは別のものとして挙げられている「一般論」について、私は相当な違和感を抱いてしまう。私が脱力してしまったと書いたのは、こういうネガティブな一般論を挙げられる(99年8月の記述も含めて)有里さんに対して、です。繰り返しますが、だから有里さんにどうしたいとかこうしたいという気はないんですよ。それなりの理由もあるようですし、仕方がないと思うし。だったら何よと強いて言えば、どうしても気になっちゃったので、書いてしまったということで、あー、発展性がないなあ。

 ちなみに、私が川崎(一応政令指定都市)に住んでいた頃(97〜98年)は、横浜市立は無茶苦茶羨ましかった。川崎市の図書館も、少なくとも99年の時点では機械検索端末は利用者側にはなく、私が主に使っていた川崎区の2つの図書館では、カード目録すらない(麻生区の図書館にはカード目録があって、無茶苦茶羨ましかった)。ばかでかくて使いにくいリストがあるだけで(更新も遅いし、検索性も低い)、それも自分館のものしかないようないような状態。当然検索はカウンターに申し出て職員にやってもらう(そのために貸し出しの列に並ぶこともある)。その頃横浜市立が、WebでOPACを公開し始めたりして、もう羨望の的でありました。でも、横浜は市内在住在勤でないと、貸し出しできないんだよなあ。川崎は誰でもいいのに(笑)。99年ごろにお話を伺ったところでは、機械検索端末公開は来世紀になるという話だったけど、今はどうなんだろう。

 私のような図書館フェチは、引越し先を決めるのに、蔵書数の多い図書館の場所をメモった地図を持っていくくらいですが、実際に公共図書館を使い始めたのは大学から。それまでは小中高と、学校図書館が中心でした。地元の図書館は妙に使いにくい場所にあったので、主に利用していたのは2週間ごとに団地に来る移動図書館。それも引っ越す小学校6年生までで、後は高校の頃か。これも結構大きな図書館が高校の近所にあったにもかかわらず、高1の夏〜高3の夏(だったと思う)まで建物の建て替えのために閉館していたので、ほとんど利用する機会には恵まれなかった。大学に入ってからは、便利なところに図書館があったので使っていたけど、これはその1年前にできたもの。それ以前はつくば市にはまともな図書館がなかったらしいから結構驚き(うちの大学の図書(<をいをいをい)がその役割を代行していたようだ)。タイミングとか、めぐり合わせの問題、それとやっぱり住んでいる場所、自治体、土地柄に依存しちゃうよな。

 ちなみに、図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とするのだよな。

=>つづく

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はじめに 思考する人間のゲーム/第1章 先駆者たち/第2章 少年と夢想家/第3章 着実な前進/第4章 仕事にかかる/第5章 五掛ける一〇〇〇は?/第6章 結局、誰のマシンだったのか?/第7章 二人きりの再出発/第8章 結局、誰のアイデアだったのか?/エピローグ あまりにも多くのものが奪われた

去年の俺様
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