=>紹介
読んでいてだんだん空しくなってきた。
本文179ページより抜粋。
| 項目\年度 | 1967 | 1997 | 1967/1997 |
| 図書館数(館)* | 48 | 199 | 4.1 |
| 職員数(人) | 614 | 2452 | 4.0 |
| 司書数(人) | 152 | 595 | 3.9 |
これが東京23特別区の区立図書館の状況である。司書有資格者は、職員中1/4でしかない。
日本の文化の中心地たる東京の、最も市民に近い役割を持つ区立図書館が、司書職の採用を行っていないと知ったのは、就職活動の時期か。既にその頃には図書館員になることを目指していなかったので、そういう事情には疎く、友人から聞いたときには耳を疑ったものだ。
なぜ、こういう状況なのか。
1967年東京都公立図書館館長協議会が提出した「都区立図書館の司書職制度確立に関する要望」と、これに対して起こった*現場の職員による*反対運動というのが、これがまあ。
「あとがき」はちょっとどうかと思ったけれども、それを差し引いて考えても(私は薬袋先生の講義は必修(1単位?)以外受けていないのだ)、この運動が及ぼしたであろう影響を考えると、ため息しか出ないのだった。ことの次第がどうであれ、責任の所在がどこにあったにせよ。
私は図書館のヘビーユーザーである。タダでいくらでも本を借りることが出来て、売っていない本もすぐに読むことが出来て、当然調べ物も出きるし、ぼーっと取りとめもなく書架を眺めながら、夏は涼むことができる<をい。物凄く便利な施設であると感じている。でも、周囲の本好きの間では、苦笑交じりに「図書館なんて」と語られることが多い(ような気がする)。それは職員の対応であったり、蔵書の問題であったり様々なんだけれども、もし、仮に1967年、ここで東京都特別区が躓かなかったら……。
もし、東京都23区が司書職制度を導入し、活用することが出来ていたとしたら。単純に考えて、そこだけで数千の司書有資格者の受け皿が生まれたのかもしれないのだ。また当然、影響は全国の公共図書館へ遍く広がったであろう。そうなれば司書資格自体にもフィードバックされ、現状の国家資格でありながら、何だか非常に中途半端な、はっきり言ってどうでもいい資格ではなくて、もっと別の形になっていたのではあるまいか。きっと出版そのものとの関わりも、今とは違うものであったろう。
既に歴史となってしまった事柄に対して、「もしも」なんて言うことに意味はないんだろうけれども、しかし、やっぱり感情の部分で悔しさが滲み出てくるのだ。こんな私ですらそうなんだから、図書館員志望の友人たちが読めば悶え苦しむんじゃないのか? 図書館好きの人や、(特に東京特別区の)図書館を嫌っている人にも読んでもらいた……くはないかも。読んでも仕方がないなあ。だって、とってもしょうもない話。きっと、ありがちな話。あああああああ、しかしこんなことで……。
うーん、むなしい。
売上は倍倍で増えていっている。このサイトの更新頻度は3日に一度レベルで下がり気味だし、閲覧数も横這いなので、この増加分というのは単純に考えてbk1自体の利用者数が増えているということなのだろう。赤字らしいけど(^^;。
ちなみに一番人気は精神科医、故・頼藤和寛の本【bk1で「著者名=頼藤和寛」 の本を検索】だったり。驚いたのは、29日未明に紹介したばかりの『図書館運動は何を残したか―図書館員の専門性』【bk1/amazon.co.jp】が早速その日のうちに買われていたこと。ありがとうございます。
溜まったポイントで、『 肝(ちむ) 沖縄・コザの登川誠仁』を買おうかなあと考えています。人の写真集買うのなんて、多分初体験だし(きゃ)。
通称「火星の会」。北野勇作関連トピック参照。
北野勇作『昔、火星のあった場所』【bk1/amazon.co.jp】について、第二長編『クラゲの海に浮かぶ舟』【bk1/amazon.co.jp】、第三長編『かめくん』【bk1/amazon.co.jp】を読んだ上で、総勢7人で行う。
昼1時から初めて、お開きになったのが午前1時。脱線もあったけれども、ほぼずーっと『火星』について語り通した。
んで、謎は全て解けた!
というと、まだまだ語弊はあるけれども、夕食後大きな枠組に対して新たな見解が発見され、その場にいた5人全員がそれに納得するという大展開。その後も、その説を補強する証拠が続々と出て、悲鳴を上げるものあり、感動するものありの、大スペクタルであった。
今更だけど、いやあ、やっぱりこの小説は凄いわ(--;。というか、北野勇作の脳味噌どうなっているわけ?
その後も、まだ謎は多く残されていますが……。メモはもうちょっと待ってね>各位。
=>詳細
脹脛と頬が、かなりやばい感じです。
いつも私が最後まで食べつづけているように見えるのは、お皿に残ったちょびっとの食べ物が、勿体無くて許せないからなのです。大食いだからなのでも、意地汚いからでもないのです。ほほほほほ。
【bk1/amazon.co.jp】=>北野勇作関連トピック参照
いやもう、日曜日開かれた「火星の会」のエキサイティングなことといったら!
土曜日夜から再読しがてらレジュメを書く。重要項目ごとに、気になる文章を抜書きしていく方法で、結局終わったのは午前5時。31kの膨大な量に。後半はさすがに頭がフラフラで、最後の10ページくらいを放り出してぎりぎりまで爆睡してしまった。
ですがねえ、ここまでしても私は、『火星』が何の話なのか掴めなかった。
いや、『火星』の雰囲気は素晴らしいよ。『主人公』の何だって「ま、いいか」ですましてしまういい加減さはいい味出しているし、『彼女』の勇気と絶望にはいつも涙を流してしまう。しかし本当に、それだけなのか? この奥にはきっと何かあると思わせる設定、言動、展開がそこかしこにちりばめられ、それらはそれぞれが悉く矛盾するものの、何かを感じる。だが、ちゃんと説明する術を見つけられない。どうしても途中でわけがわからなくなる。何度再読しても、何度色々な角度から入っても、積み上げたものが途中でひっくり返されてしまう。でも、確信だけはあるのだ。絶対にこれを積み上げていけば、何かが見えてくるに違いないのだと。本当にここで起こっていることは何なのか?
メンバーは青木さん、雪樹さん(7/8)(格納場所)、向井さん、のむのむさん(7/8)(格納場所)、おおたさん、森さんの総勢7人。脅威の愛妻小説短篇集『ぬかるんでから』の著者佐藤哲也の日記にたびたび登場する韓国料理屋「妻家房」(店の玄関には「妻」という大きな文字が!!)で昼食。
その後、あんまりケーキが美味しくない、でも老舗の喫茶店(広いだけが取り柄)でコピーしたレジュメを広げて、それぞれの解釈を語り合う。……が、もう基本的なことからして食い違いまくり。「あれ、これ、そういう話だっけ?」と誰かが言うたびに首をかしげる。「それは筋が通りそう」と思っても、考えていくと、やっぱり大きな矛盾が出てきて、暗礁に乗り上げてしまう。そもそも彼らは火星に着いたのか? 火星は分裂しているのか? 本当に火星を目指しているの? 宇宙船に乗っているのは事実なの? だいたいタヌキって何よ? 小春は? 彼女は? とか、何度も森さんが言っていたけれども、いや真面目な話、バーチャル読書会か、架空書評勝負みたい。お前ら同じ本読んでんのか!? という感じ。誰かがもっともらしいことを言うと、そういう本になっちゃうわけだ。
その後古本屋を冷やかしたりした後、ここから合流するはずだったu-kiさん(7/8)は残念ながら欠席。今度『かめくん』【bk1】しましょう。確かに、これが一番の難物だと思います。
その後、蕎麦屋で晩御飯して、青木さんと雪樹さんが離脱(勿体無い!!)。残りの5人で、火星談義の続きを行う。
きっかけは何だったっけ? 向井さんが図解し始めた頃だろうか、おおたさんの「4人説」について考えていたときだっけか。まあ、とにかく、その場にいた5人の読んでいる本の位相が、かちんと組み合ったあの一瞬の興奮は、もう。あっけなかったといえばあっけなかったんだけれども、このすうっと腑に落ちる感覚は……、それを5人で体験できたのは、幸運だった。幸福だった。そしてこの体験は【妙に作品自体とパラレルだったりもする】。
それからはまるで演劇の練習のような風景に。それぞれが気になる部分を朗読し、その解釈を話し合う。一人で読んでいたときには、全く意味不明だった言葉の一つ一つが意味を持ち、確実にくみ上げられていく。結果出来上がったパズルには、思いもよらない絵が描かれていた。
11時ごろに遠い方々が帰った後も、近所連中で1時まで解釈は続いた。いくつか置き去りな謎は残されているものの(【169ページの耐熱タイル】とか)、そこで本当に何が起こったのか、なぜそうなってしまったのか、大枠に関しては、矛盾しない確固とした世界を見つけることが出来たように思う。
んで、今日、早速再読してみた。【ダルマストーブの傍が寒い火星】なのは重要じゃないですか?>森さん。とか何とか、手に入れた枠そのものが結構フレキシブルなので手応えには欠けるけれども、確実にピースが埋まっていく。
しかし、帰宅後、昨夜の解釈を忘れないうちにまとめておこうとエディタを起動したのだが、上手く説明できない。私の表現力や文章力、論理性、整理能力が劣っているのは分かるけれども、それにしても『クラゲの海に浮かぶ舟』といい、どうして北野勇作はこんなに複雑でややこしい物語を、展開可能な形で小説に埋め込むことが出きるわけ!? 信じられん。
ふわー、すごすぎ。とにもかくにもまあ、滅多にないいい体験をさせていただきました。何かあるのだという自分の確信を捨てず、何度も挑戦して良かった。やっとこの小説が読めた。嬉しい。三人寄れば文殊の知恵ですわ。たとえこれが作者の想定していないところに穴を掘るような、単なる妄想だったとしても、ね。